勝地(かつち)ブログ

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vol.222 監視

2017年04月21日 18時20分26秒 | Weblog
今日も「勝地ブログ」にアクセスいただき、ありがとうございます。


第三弾。

(ここから)

(28.10.21発行 第164号)

 10月19日(水)~20日(木)静岡市で第11回全国市議会議長会研究フオーラムが開催され、同会の評議員であること並びに、来年第12回が播但市議会議長会構成市の姫路市で開催され同会の現会長であること、などから出席してきました。
二日間にわたり「議会の監視機能は如何にあるべきか」をテーマに、江藤俊昭山梨学院大学大学院研究科長・教授、佐々木昭夫中央大学経済学部教授をはじめとして議論が交わされてきました。

 基調講演された大森彌東京大学名誉教授の演題「二元代表制と議会の監視機能」、その講演概要を以下にレポートします。

 「両者の関係がぎくしゃくし、対立が強まれば自治体としての意思を確定できず、行政が停滞して、地域の将来や住民の暮らしを危うくしないとも限らない。日頃から両者間で意思疎通を密にして、折り合いをつける必要がある。二元代表制の運用には、それなりの努力と工夫が不可欠」と説かれます。
 問題は政策展開の主導権の所在。自治法上は議案提出権は首長と一定数(議員定数の12分の1)の議員及び常任委員会にあるが、ほとんどの議案は首長提案。
もし議会が追認機関化しているなら議会のチェック機能は働いていない。施策案は地域の将来展望の中に位置づけられているか、他の施策案は考えられないか、軽視・放置・無視している施策課題はないか、立案過程で十分住民の声を吸収したか、施策の総合化が不十分なため無駄で不適切な経費をかけることはないか、住民に負担や不便をかけ新たな困難を生み出すことはないか、などを合議体の議会は議会審議を通じて明らかにしなければならない。 この役割を果たしてこそ、議会が自治体運営のもう一つの主役たりうるのである。
 議会がくっきりと存在理由を示すには「チーム議会」の実現が必要である。会派の相違を超えて意思決定出来るようになることである。例えば政策討論会議という場を設定し議員間で調査・検討・議論を重ねたうえで、全会派の代表者が政策提言をまとめれば、これを首長は簡単には無視できない。議員間の討議とその集約こそが議会たるものの本質である。
 二元代表制の下では、議会が首長を指名するのではないから、首長と議会との間に国の議院内閣制のような与野党関係はない。このことを自覚しているかどうかが重要である。議員が会派に分かれるのは自然であるにしても、議員多数派が首長に対して与党あるいは野党の意識を持ち、そう振る舞うのは二元代表制の主旨に忠実ではない。首長と馴れ合わず緊張関係を維持するためには、議会全体が野党的な感覚を持ちつつ、是は是、非は非として自治体としての意思決定を適切なものにしなければならない。
 また、首長に選ばれるのに当該自治体の住民であることは要件となっていない。だから施策案実現のために首長は、住民であることを要件として選ばれた議員によって構成される議会を説明しきることが求められる。
 一方において、首長を監視する機能をもっている議員自身が、政治倫理や政務活動費をはじめ住民から監視の対象になっているようでは、住民の信頼を得られるハズもない。

(ここまで)

最後の指摘の現実が目の前にあり当該議員の説明が仕切れていないので、議会基本条例を制定している議会として次の対応が必要不可欠なのですがどうなんでしょう。人の噂も七十五日? ではなく期待しています。

住民から信頼が得られてない中での議会活動は本来あり得ない。


次回、第四弾は自由民主党農林部会長小泉進次郎氏の予定。

*誤変換及び文章の瑕疵は後ほど推敲します。

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vol.221 1億総活躍は過度期の施策

2017年04月21日 10時46分29秒 | Weblog
今日も「勝地ブログ」にアクセスいただき、ありがとうございます。


一年前のことなのでズレがありますが、認識持つべきとして第二弾。

(ここから)

(28.4.28発行 第153号)

第81回近畿市議会議長会定期総会が4月19日(火)奈良ロイヤルホテルで開催されましたが、総会終了後に経済ジャーナリスト・須田慎一郎氏から「1億総活躍社会」政策に行き着いた安倍総理の狙いについて講演があり、たいへん興味深く拝聴しました。その時のメモからの講演概要です。

「今起こっていること、これから起こること」

 アベノミクス効果が地方では実感出来ない、いつになったら景気は回復するのか? 講演での問いかけが多い。
 では、景気が回復とは、どういう状況になれば回復と捉えているのかと問う。
 答えは、人並みのことをしていれば、売り上げが増え給料も増えていく状況だと。
 終戦後、いくつもの景気拡大時期があった。
神武景気、なべ底景気、岩戸景気、オリンピック景気、いざなぎ景気これは57ヶ月続いて年率11.3%もの伸び率だった。1971年のドルショックで終わった。
 全ての景気において、人並みのことをしていれば売り上げが伸びてきた。ついついこの経験を期待してしまうので、人並みのことさえやっていれば良くなると期待してしまう。
 その期待の結論になるのはいつなのか?
 悪いが少なくとも存命の間は、20年や30年はやって来ない。

 何故か、根拠は?
1986年から続いていた株式や不動産の過剰な高騰による好景気の終わりの始まりが1991年から始まった。これがバブル崩壊。
 土地関連融資の抑制と金融引き締め。この時を境に反動として経済構造が全く変わった
 安倍総理も気付き、昨年9月の総裁選後の記者会見で「アベノミクスは第2幕へ入り、1億総活躍社会に向けて新3本の矢を放つ」と・・・いつの間に2幕へ?

①GDP→2020年メドに600兆円にする
②出生率→1.4を2025年に1.8まで引き上げる
③介護離職者ゼロを目指す

 なるほどど思った。
いまや世帯主一人だけの収入で家族を守れない、難しい。
①GDP600兆円 計算上は名目毎年3%成長していくと2020年には達成する。 しかし2015年はマイナス0.1%だったのにどう実現していくのか。
②出生率1.8人
少子化歯止め、どう実現するのか。
③介護離職者ゼロ
2025年問題、団塊の世代22~24年生まれ800万人が75歳になる。医療機関、介護施設の世話が出てくる。介護難民となるケースが2025年で43万人と予測。自宅で在宅介護ができるのか。
 団塊世代ジュニアは働き盛りで親の面倒見る余裕がない。介護離職となると日本経済、企業にとっても大損失。

 ここで熊本震災受けて、消費税は100%先送りの腹決めを安倍総理はしたようだ。足元を見ると正解だが中長期的にはどうか?
 このままいくと社会保障制度はもたないので消費税10%としたはず。
 現状の社会保障制度を維持していくためには20%でも足りない。2~3年先送りで維持できるのか疑問。

 そして一千億円借金ある中での財政再建、この2つの課題がある。
①~③をどうやって実現していくのか?

 具体策はないが「1億総活躍社会」に思いが込められている。
 
 アベノミクス第一幕の3本の矢。
①大胆な金融政策(円安株高でアベノミクス基盤を築いた)
②機動的な財政政策(一時的な刺激策で評判は今一つ)
③投資を喚起する成長戦略(規制緩和は道半ば)・・・ 
 株価は2倍になり、企業の業績も過去最高水準に回復してきたが、円安が輸出増に、企業業績拡大が設備投資増加に、雇用が消費増に、という好循環は明確ではない。

 今の経済を支えているのは日銀による異次元の金融政策とそれに触発された一部民間の回復が加わった結果。
 富士山の形のように、大企業が利益を上げるとすそ野の産業にシフトしていくと想定した。しかし大企業は利益配分せず、部品単価や工賃を上げていない。
 トヨタは今、国際競争力で大変。プリウスは利益率ゼロで販売、新車種4台目は利益率20%を乗せたが下請けの工賃や部品単価を下げている。最初に20%の利益率を乗せると国際競争に勝てない構図になっている。

 安倍総理は、大企業だけでは国内経済は伸びないことに気付いた、経済構造がバブル崩壊後は変わったことに気付いた、だから「1億総活躍社会」へと踏み切った。

 どの政権であろうが、国民一人一人を経済的に豊かにすることがゴールである。
 今まで、家のメインプレーヤーの収入所得を引き上げていくことにより豊かさを目指してきたが、いまやそれは不可能と気づいた。家族全体の収入所得を増やすことで豊かさを手に入れる方策に転換した。

 2014年に490兆円だったGDPを2020年に600兆円に増やすために、女性や高齢者、障がい者等の雇用を拡大していく。
職場には障がい者でもできる仕事があるはずだ。
 出生率1.4を1.8まで回復させるために幼児教育の無償化、結婚支援や不妊治療支援に取り組む。
 1億総活躍社会とは、どんな人が働くのか。中高年、女性、障がい者の人たちが働かないと景気回復につながらない。

 いま新たな仕事が発生しつつある。スーツの青木が女性向けスーツ専門店を全国30店舗に展開するという。冷凍食品ニチレイは共働き世帯用の食材を販売するという。冷凍食材でレンジででチンするだけ。
 新しい需要を産んで新しい市場マーケットが生まれてくる。

 名目GDP年率3%回復していけば、確実に景気回復していく。回復しない企業はバブル崩壊以前の感覚で仕事をしている企業ということ。

 人口減少社会で経済成長していくためには「1億総活躍社会」、そこしかなかったのだと思う。

 50年後も人口1億人を維持する国家として、バイオ産業、宇宙産業、エネルギー産業などの新産業で国際競争に勝てる企業が出てくるまでの過度期のやり方である。

 参院選を控え、新3本の矢を安倍政権がどこまで説得力ある道筋を示せるかにかかっている。(完)

(ここまで)

次回、第三弾は再び東京大学名誉教授大森彌先生の予定。


*誤変換及び文章の瑕疵は後ほど推敲します。

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