関氏の本が次々出るが、今度は、異端の古代史④。元々2009年に出た”神話のカラクリ 不比等の野望”の改訂版とのこと。
元の本は、読んでいないが、同じネタが、手を変え品を変え出てくるので、パターンは、大体読める。
ただ、本毎にひねりが加えてあり、まぁいいんでないかいってな感じになる。
この異端の古代史シリーズなどは、その典型であろう。
記紀は、藤原家のために歴史を捏造する目的を持って作られたというのがベースだが、本書はその中で、神=鬼=モノという基本的なコンセプトと、住吉大社と、天皇家とのただならぬ関係、出雲と天皇家のただならぬ関係をクローズアップしたものと言えるかな。
特に、住吉大社とそこに関係する海の神、蘇我氏との関係等、興味深い推論が展開される。
記紀は、壮大な物語だが、似たようなキャラ、経歴の神々が登場する。これらの物語を注意深く考察すると、その元の物語が見えてくるという作者の推理は、読んでて楽しいし、絵空事と断ずることはできない。
自由な発想で、古代史を推理し、そこに新発見が加わり、ストーリーを変更していく。
古代史ファンの醍醐味と言えるのかな。