かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

温暖化地獄

2007年09月20日 | Topics
『月日は、百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也』。おくのほそ道の、有名な書き出し。

今回訪れた場所を遡っても、
①762年 多賀城 壷の碑
②860年 山寺開山
③1126年 中尊寺大伽藍完成。
④1609年 瑞巌寺完成
⑤1689年 芭蕉さんのおくのほそ道の旅
⑥2007年 おくのほそ道2007
と、すごい年月(約1250年)を、経ている。

ところが、”そんなの関係ない!!!  ”という話を聴いた。
山内良一さんによると、地球は、既にのっぴききらない温暖化地獄に陥っており、人類の歴史がもう数十年で、終わろうとしているのだ。

山本良一さんの話を聞いて、背筋が寒くなった。地球温暖化という言葉はよく聴くが、もう待ったなしの絶望的な状況のようだ。山本さんの講演も、ほとんど、悲壮なアジ演説と化していた。
現在、北極海の氷が一番少ない時期だが、既に、最少記録を毎日更新していて、このペースが続くと、4-5年後の夏には、北極海の氷がなくなってしまう。8月から9月にかけてのたった1ヶ月で、約100万平方キロ(日本の総面積の3倍)の氷が無くなっている。海に浮かんだ氷が、溶けても海面上昇は起こらないが、グリーンランドやロシア、カナダなどの、地上の氷が大量に溶けており、これは、地中に封じ込められていたガスの放出と、急激な海面上昇を伴う。
事態は、今世紀末に、5m海面上昇というところまで、きている。そうなると、日本の大都市のほとんどは、海面下となる(家を買う時は、東北以北かつ、丘陵に買おう)。平均気温は、既に0.8度上昇しているが、このままいくと少なくとも2度上昇しそう。そうなると、数十億人の環境難民が発生する。何百万種の動植物が死滅する。昆虫や、鳥や、魚は、北へ(北半球では)大移動。大型動物や、動けない植物は、死滅する。今の温帯に住んでいる人は、今の寒帯に移住せざるをえなくなる。移住できない人々も、滅びる。

SF小説みたいだ。確かに、たった20年前、これらの説に対しては、懐疑的な意見も多かった。ところが、事態が、ここまで進み、懐疑派が、警告派の意見を受け入れざるえなくなっている。欧米の企業、政府、宗教家も大きく舵を切っている。

この原因は、主に化石燃料使用による炭酸ガス濃度の高まりだ。地球の大気の重さは、5282兆トンだが、産業革命以降の化石燃料使用により、8000億トンの炭酸ガスが増加し、現在、毎年152億トンのペースで、増加している。たちが悪いのは、光合成などで、吸収される炭酸ガスの量には、限界があり、排出された炭酸ガスの内25%は、1万年以上も滞留する。この作用により、エネルギーが蓄積され、温暖化地獄が確実に、急速に進行する。

この流れを止めるのは、炭酸ガスの発生を抑えることが一番だが、京都議定書の10%削減では焼け石に水であり、かつそれさえも達成できていない。事態が、ここまで至ってしまった以上、8割削減!の目標で、動かないと、我々の目の黒いうちに、地球に焦熱地獄が訪れる可能性が高い。
多賀城の壷の碑が建てられた762年から今まで、大きな環境変化を引き起こすような気候変化は起こらなかった。気温も、上がったり、下がったりだった。だから、今も芭蕉さんとほぼ同じ環境で、1250年の間の歴史を堪能できる。
ところがここ10年ぐらいはどうか。大型台風、乾燥化、熱波。多すぎないかい?これは、いまや自然現象とか異常気象ではなく、人類が引き起こした炭酸ガスの発生による人為的な現象なのだ。でも、これを食い止めるために、生活レベルは極端には落とせない(エコバックは、申し訳ないが、ほとんど効果がない)。もちろん、身近な努力は続けるのだが、現実な方法としては、カーボンオフセットと言って、生活により排出した炭酸ガスの量に応じた、環境税的なものを財源とし、環境技術を進歩させ、温暖化を抑えていくしかない。
山本先生の本は、近日発売予定なので、興味のある方は、どうぞ。生活の仕方、ビジネスの仕方のヒントが見つかるかもしれない。
コメント
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