酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

毛越寺の延年の舞

2006-07-03 23:56:49 | 演劇
昨日、平泉の毛越寺で国の重要無形民俗文化財である「延年の舞」を見た。
今年はあいにく土砂降りとなり、テントや寺庇で雨を避けながらの鑑賞となった。
「延年」は寺の法会の後に催される法楽のことをいい、神社における神楽のようなもので、八百年の昔から伝承されているという。
今回「路舞」「若女と禰宜」「老女」「王母ヶ昔」などが、観光客の前で演じられた。
男の子二人の舞う「路舞」や「王母ヶ昔」も可愛いけれども、面白かったのは「若女と禰宜」と「老女」の対照的な舞。
「若女と禰宜」は、にこやかな面をつけた女が、鈴を振り、首を傾けた様子などを見せる。静かな動きの中で、楽しげに若さを匂わせる。
「老女」は黒っぽい面をつけ、百歳という設定。鈴を持ち若女と同じように舞おうとするのだが、腰も曲がり思うようにいかない。舞う前には、髪をなでつけ、やる気を見せるのがいたいたしい。誰もが避けられない老いが描かれ共感してしまう。
静かで素朴な動きに、伝統芸能の凄さが感じられる貴重な時間だった。