読書三昧(29年3月)
3月後半は体調を崩して本が全く読めず。ベッドでゴロゴロ。
せっかく図書館で借りられた村上春樹の『騎士団長殺し』第1部を、プロローグだけ見て返す羽目に。なんと悲しいこと・・・。
3月に読んだ本
真保 裕一『脇坂副署長の長い一日』
竹本健治『涙香迷宮』
倉持裕戯曲(原作江戸川乱歩)『お勢登場』
松井恭子写真俳句集『月あがるまで』
☆『脇坂副署長の長い一日』
脇坂という賀江出署の副署長が、警察内での派閥、若い警官、アイドルや脇坂の家族、怪しい会社などにふりまわされる一日の話。イライラとスリリングがこの小説の持ち味。一日に絞ったことにより緊迫感を増した。
ただあまりに登場人物を複雑に絡み合わせてあるため、少し時間を空けて読んだりすると理解不能に陥るのが、われながら悲しい。一気に読んでしまうのが、いいかも。
☆竹本健治『涙香迷宮』
いろいろな知識の披歴が、小説の流れの邪魔をする。特に「いろは歌」は多すぎ。短歌の塚本邦雄の兄春雄が「芭蕉」という「いろは歌」を作っていたとか、黒岩涙香の多彩さとか別の意味で興味深い記述もあるが、本筋とは関係なく小説としては蛇足。
私には類子の性格付けもしっくりこなかった。シリーズで読みなれている人には違和感がないのかもしれないが、やっと最後の謎解きで推理小説らしくなった。
☆倉持裕戯曲(原作江戸川乱歩)『お勢登場』
2月にシアタートラムで上演された芝居の脚本。江戸川乱歩のいくつかの短編をミックスして構成されている。脚本を読んでいると転換が分かりにくいが、芝居を見た人によると場面転換がうまく、スッキリ仕上がっていたとのこと。倉持裕演出の舞台が最近低調だったので外したが、中々好評で判断を誤ったかも。
☆松井恭子写真俳句集『月あがるまで』
白椿しづかに夜を容れにけり
緑さすガラスをへだて被爆の書
かすかなる焦げもきざまれ鱧の皮
錆鮎の小さきものより串うつて
おそろひの桑の箸買ふ初薬師
どうぞお身体ご自愛くださいませ桜の便りを是非に
コメントありがとうございます。
気づかず失礼しました。
最近本を読む気力が減退してきてるようで、心配です。
さくらは昨日アップしました。