酢豚のひとりごと

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読書三昧(27年3月)

2015-03-31 23:06:59 | BOOK


読書三昧(27年3月)
病気になってから、気持ちのいい目覚めがなくなった。朝、窓を開けて青空が見えるとうれしくなったものだが、今はどんよりした気分のまま。家人にそれを話したら、「眠れるだけでも幸せだよ」と一蹴されてしまった。


3月に読んだ本

桜木紫乃『ブルース』
若竹七海『さよならの手口』
奥田英朗『ナオミとカナコ』
星野智幸『夜は終わらない』(途中で挫折)
葉真中顕『絶叫』
河合祥一郎『100分de名著 シェイクスピア ハムレット』
桑原武夫『第二芸術』
鈴木節子編『脚註名句シリーズ・鈴木鷹夫集』
大浦郁子句集『奈良団扇』


☆桜木紫乃『ブルース』
釧路の貧しい長屋に育った六本指を持つ男、影山博人。この男性を介して八人の女性の物語が語られる8篇の短編集からなる。文章はとてつもなくうまく引き込まれる。それぞれ違う女性の生きざまを描き、全部の物語を通して男の全体像が浮き出してくるような構成になっているのもユニークである。ただ感受性の乏しい私には、最終章の「いきどまりのMoon」を除いては、主人公の女性が変わっただけで同じ物語に見えてしまうのが残念。

☆若竹七海『さよならの手口』
殺人事件の謎解きよりも、主人公の40歳代独身女性、葉村晶のずっこけ迷探偵ぶりが面白い。歳も考えず怪我もいとわず危ない場面に突っ込んでしまう主人公に共感。ただ性格はよくわかるのに容姿のイメージがまったくわいてこないのが不思議。
名前の出てくる登場人物が多くて、前半は表紙裏の名前リストを見ながらとぎれとぎれに読んでいたが、後半は面白くてやめられなくなり、夜更かししてしまった。

☆葉真中顕『絶叫』
特に上手と感じさせず、起こった出来事を淡淡と語るような書きぶりなのだが、いつのまにか作者のペースにはまってしまう。べたべたした感情表現がない分、気持ちよく読める。一人の身を持ち崩し犯罪に手を染めた女の生きざまとその謎を追う女性警官の動きがそれぞれ章を変えて描かれる。主人公・陽子のラストの居直りが爽快。
とにかく面白い。超お薦めの一冊。

☆河合祥一郎『100分de名著 シェイクスピア ハムレット』
元々NHKテレビのテキストであるが、読むだけでも十分楽しい。河合祥一郎のわかりやすい解説により、普段自分が舞台を見たり戯曲で読んでいる『ハムレット』とは違う、内容の奥深さがわかる。あらためてシェイクスピアの凄さを知った1冊。

☆鈴木節子編『脚註名句シリーズ・鈴木鷹夫集』
帯巻くとからだ廻しぬ祭笛
空席に破魔矢を寝かせ湖西線
松茸の椀のつゝゝと動きけり

☆大浦郁子句集『奈良団扇』
拗ねてみる仕草もおぼえ七五三
冬茜雲を絵巻に仕立て上げ
竹林を税に納めて大昼寝




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