11月に読んだ本
高野和明『ジェノサイド』(日本推理作家協会賞・山田風太郎賞など受賞)
梨木香歩『雪と珊瑚と』
角田光代『紙の月』
村松友次『芭蕉の手紙』
川端康成『雪国』
三上延『ビブリア古書堂の事件手帖2~栞子さんと謎めく日常~』
面白かったのは、高野和明『ジェノサイド』
アフリカのコンゴで生まれた新しい生物は人間を圧倒的に上回る知力を持っていた。それを知ったアメリカの大統領は現人類の危機と、この生物を秘密裡に抹殺する命令を出す。アメリカ大統領とその部下、抹殺のため派遣された4人の傭兵、新しい生物を守ろうとする人類学者、人類学者とアフリカで一緒に仕事をしたことのある日本の科学者と薬学の大学院生のその息子などなどが複雑に絡み合い物語は進展する。そしてコンゴ、アメリカ、日本での出来事が同時進行的に小気味よく語られる。
わくわくする面白さに一気に読んでしまった。
ラストがあまりに上手く進展し、めでたしめでたしで終るのに多少物足りなさは感じたがお薦めである。
今月はもう一冊。私の好きなハラハラドキドキとは正反対にあるのだけど、読まされてしまった本。梨木香歩の『雪と珊瑚と』。
梨木香歩はベストセラーで映画化もされた『西の魔女が死んだ』の作者。
離婚して一人で子育てをしながらカフェを開く21歳の珊瑚という女性のお話。彼女の日常と内面の葛藤、それを暖かく見守る周りの人々をたんたんと描いている。全体のゆったりした流れが心地良い。
心が洗われる小説もたまにはいいものだ。
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