酢豚のひとりごと

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読書三昧(28年10月)

2016-11-01 15:44:09 | BOOK


読書三昧(28年10月)

抗がん剤のせいか湿疹ができたり、お腹の具合が悪かったり、落ち着かない日が続いた。
この頃は夢の中に出てくる自分も病人であるのが悲しい。

10月に読んだ本
原田マハ『暗幕のゲルニカ』
近藤史恵『サクリファイス』
柚木麻子『奥様はクレージーフルーツ』
西尾維新『掟上今日子の家計簿』
西尾維新『撫物語(ナデモノガタリ)』

☆原田マハ『暗幕のゲルニカ』
この小説は1900年代半ばと2000年初頭をいったりきたりして進行する。ピカソの『ゲルニカ』の描かれた時代をピカソの愛人ゾラの目で、そしてアメリカモーマ美術館へ『ゲルニカ』を持ってこようとする時代をキュレーター瑶子の目をとおして書かれている。
モーマ美術館勤務の経験を持つ原田マハでなければ書けない小説。後半同じことが繰り返し書かれ多少くどい部分もあるが、『ゲルニカ』という絵が訴える強いメッセージに視点をしぼったこの作品に強くひかれた。この作者の作品では他に『楽園のカンヴァス』や『ジヴェルニーの食卓』など美術を扱った作品はどれも好きだ

☆近藤史恵『サクリファイス』 
サイクルロードレースをテーマにしたミステリー風小説。
テレビで毎年ツールドフランスを見ているので(といってもフランスの美しい景色を見ているだけだが)小説にはスムーズに入りこめた。緊迫感あって面白いのだが、ミステリーとして読むと、ラストで明かされる動機や手法にすっきりしない部分があり、謎解きという面ではいま一歩か。
小説も面白いが、文庫本の巻末にある書評家大矢博子の解説が抜群に面白い。

☆柚木麻子『奥様はクレージーフルーツ』
フルーツをテーマにした短編集。主人公は仲が良いがセックスレス夫婦の妻、島村初美。色っぽい妄想は、いつもいいところまでいくものの、最後にはぐらかされてしまう。各編に使われる苺、桃、マンゴーなどの果物がどう絡ませられているか、作者の腕も見もの。
言葉一つ一つを味わって読めばいいのだが、筋だけを追うと、ある意味パターンなので飽きるかもしれない。

☆西尾維新『掟上今日子の家計簿』
またまた掟上今日子。今回の4編の中では「掟上今日子の筆跡鑑定」が一番面白いかな。
「掟上今日子の叙述トリック」は犯人が明かされていなくてもやもやしたが、ネットで解き明かしてくれている人がいてやっと納得。
最新刊を読んだつもりだったが、もう次の『掟上今日子の旅行記』が10月に出ているみたい。

☆西尾維新『撫物語(ナデモノガタリ)』
またまた西尾維新。掟上今日子シリーズは読んだので、今回は『撫物語』。物語シリーズはこれを含め18巻も出ているから結構人気らしい。ただどうも中高生対象なのかも。
主人公は15歳の漫画家千石撫子。中学生だが不登校。漫画製作の効率を上げるため本人の分身を4人作って協力させようとしたが、勝手に町に出て行ってしまう。なんとか捕まえようとするのだが・・・。
今はやりの怪異ものに、中学生の悩みらしきものをさりげなく加えてあるのが人気の秘密か。かわいいお話なので一冊読んでこのシリーズはとりあえず終了


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