![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/7f/55b4826faf1e5a0912836339d58c1481.jpg)
「小さいおうち」
監督:山田洋次、原作:中島京子、脚本:山田洋次・平松恵美子
出演:松たか子・黒木華・吉岡秀隆・妻夫木聡・倍賞千恵子他
昭和11年、田舎から出てきた若い日のタキ(黒木華)は、東京の外れの赤い屋根のモダンな平井家の家でお手伝いさんとして働く。
そのタキ(倍賞千恵子)が晩年につづっていた大学ノートに書かれた自叙伝が残された。それを手にしたタキの親戚の健史(妻夫木聡)は、幸せに見えた平井家にあった意外な真実を知る。
愛の映画であり、戦争を見つめ直す映画であり、ちょっとミステリアスな面もある多面的なところが興味深い。
この映画のポイントは、自叙伝を書きながら、年老いたタキが「自分は長く生きすぎた」と大泣きしたシーン(写真)にあると思う。その原因は彼女がずっと一人で抱えてきた秘密にあるのだが、具体的なことは映画では語られず、鑑賞者の想像に委ねられる。
渡さなかった手紙のこと、平井家の奥さま(松たか子)に嘘を言ったこと、好きな人に自分の思いを伝えられなかったことなど、想像はいろいろできる。ただどのケースを当てはめてみても、タキのセリフと大泣きが私にはしっくりとはこないのである。
映画をもう一度見るか原作を読めば解決するのかもしれないが、今のところはもやもやを抱えたままである。
妻夫木聡が年寄り思いの爽やかな青年を好演。「表に出ろいっ!」などの舞台で注目していた黒木華(この映画でベルリン国際映画祭最優秀女優賞を取った)や松たか子も演技が自然でいい。
と思っていました。
それにしても、松たか子と黒木華の演じる人物像の対比は見事と思いました。生い立ちでこんなにも違ってくるのですね。西洋の人がタキをどのように理解したのかは大変興味があります。
少し体調がいいので、うろうろ出かけています。