曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

蝶の幼虫たちはもう一息で蛹に

2019年07月11日 | 日記

今日の花

アガパンサス  アフリカ原産の花ですが、とても丈夫で何の手入れもしないのに毎年よく咲きます。

 


 前回、マダラチョウの母さんたちが卵や幼虫をたくさんわたしに託してくれたことを書きました。私の住む周防大島では今ちょうど梅雨の最中で湿っぽい季節ですが気温が25℃前後で、熱帯・亜熱帯に棲むマダラチョウにとっても幼虫が育つにはちょうど良い季節です。6月26日に届いたマダラチョウたちは着いたその日から卵を産み始めましたが相当の数の卵を小屋の中で産みました。卵は数日で孵化して幼虫になり、食草の葉や茎を食べてどんどん大きく育ちます。昨日でちょうど2週間が経ちました。脱皮するとき以外はほとんど休まず食べ続けます。そして早いものはもう蛹になったものもいるようです。里親の私は幼虫たちに絶やさぬようエサを与えなければなりません。最初は幼虫が小さいので一日に食べる量が少なくて食草を取り換えることもないのですが、日に日に大きくなって3齢・4齢になると一日に食べる量が半端でなくなります。一日に何度も小屋の中へ様子を見に入り、餌の交換と追加をしなければなりません。預かった蝶の子供たちがみんな無事に育つ様、毎日お世話をしています。もう一息で蛹になりますが、そうなるともう餌の心配が要らなくなります。とにかく今は餌を切らさないようにすることが大事で、お世話は大変です。

南国で暮らしているマダラチョウたちはそこにある食草を食べて繁殖しますが、私の所にはそんな南国の食草となる植物はありません。そこで、代用となるキョウチクトウ科の植物を餌として与えるのですが、何の植物が良いかはマダラチョウのお母さんたちが選んでくれます。子供たちが好きそうな植物に卵を産み付けるからです。今回飼育小屋の中に揃えておいた食草はキョウチクトウ科の植物で、イケマ・コイケマ・ガガイモ・キジョラン・ツルモウリンカ・ホウライカモメヅルそれにトウワタです。産卵した卵の数からいってイケマとコイケマが一番好まれたようです。南の方の国には無い植物なのですがお母さんたちはこれらを選びました。結果としてイケマとコイケマは南国の蝶マダラチョウにとって、とても良い食草だとわかりました。ただ私の所にもイケマとコイケマは沢山あるわけではないので、幼虫たちをトウワタやガガイモに移して育てています。それでも何とか終齢までこぎつけました。またまた、人によってはまた気持ちの悪い幼虫の写真ばかりになりましたが本州ではなかなか見られない幼虫ですので、幼虫が気持ちの悪い方は目をつぶってご覧ください。

 


飼育小屋の中のマダラチョウの幼虫たち

イケマを食べるスジグロカバマダラ

 

トウワタへ移したツマムラサキマダラの幼虫

 

イケマの苗には卵が沢山産み付けられます。

 

イケマの苗はすぐに丸坊主になります。

 

スジグロカバマダラの終齢幼虫

 

トウワタの好きなカバマダラ

 

スジグロカバマダラの幼虫はイケマが大好き

 

トウワタも良い食草です。

 

イケマを食べ尽くしてしまったスジグロカバマダラの幼虫、さあどうする。

 

リュウキュウアサギマダラはツルモウリンカが大好き。

 

トウワタのカバマダラ

 

カバマダラの幼虫

 

スジグロカバマダラの幼虫。すぐ上のカバマダラの幼虫とはよく似ています。

 

トウワタを食べるカバマダラの幼虫

 

ヒメアサギマダラの幼虫

 

脱皮直後のリュウキュウアサギマダラの幼虫

 

ランタナの花で吸蜜するリュウキュウアサギマダラ

 

イケマの葉が無くなると茎を食べます。

 

同じ所にウマノスズクサの蔓が絡んでいますが、マダラチョウの幼虫が間違えた食べることはありません。

 

蛹になる準備が始まりました。

 

 参考までに

本州で普通に見られるアサギマダラの幼虫です。マダラチョウの仲間ですからみんなとよく似ていますね。

アサギマダラはこの辺りではキジョランで育ちますが、北の方の植物のイケマでもよく育ちます。

 

 もう10日もすると蝶になります。楽しみですね。

 

 


飼育小屋のマダラチョウの世界

2019年07月05日 | 日記

今日の果物

さくらんぼ   シーズンですね、北国からの贈り物は美味しくいただいています。

 


 今日のブログ記事はとてもマニアックなことで数日前から載せようかやめようか迷っていました。植物を育てるとか動物を飼うとか、昔は人は食べ物を得るために行ってきました。でも暮らしに余裕が出来てくると、犬猫などのペットを飼うとか庭にバラなどの花を植えて楽しむなど生き物を育てること自体が心の癒しとなってきたようです。今はペットブームの世の中ですが、蝶を飼う人はかなり珍しいのではないでしょうか。虫や蝶の好きな人と対象を広げても世の中にはそれほどいないであろうし、今日の記事を見ても面白いと感じる人はそんなにはいないでしょうね。むしろ幼虫を見て気持ち悪くなる方もいるかもしれませんので、下の写真は見ないでお帰りいただいた方が良いかもしれません。

ということで、今日の記事は先日やって来たマダラチョウのその後の様子です。6月26日に7頭の蝶をいただきました。この蝶たちを飼うと決めた以上守ってやらねばなりませんし、蝶たちにとってできるだけ快適に暮らせる環境を作らねばなりません。そのつもりで面倒を見ていたのですが、我が家に来て4日目にカバマダラが何者かに食われました。オレンジ色の翅だけが残っていました。気を付けていたのに何か虫を食べる動物が飼育小屋に侵入したようです。今までの経験からヤモリが入ったのかもしれないと考えたのですが、次の日の夜小屋の中を探すとアシダカグモの大きいのが1匹天井を這っていました。おそらくカバマダラを食べた犯人はこいつに間違いないでしょう。一般に蝶は夜を過ごすのに木の枝先か葉裏にとまっていることが多いのですが、そんな所はヤモリや蜘蛛からも比較的安全です。カバマダラは時々天井や壁にとまって夜を過ごすこともあります。そこを狙われたようです。こんなことが無いように日暮れ時に蝶たちがどこにとまって寝ているか確認するようになりました。もちろん蜘蛛やヤモリを見つけたら捕まえて外に捨てに行きます。そんな努力がうまく行って今5頭のマダラチョウが小屋の中で健在です。食われたカバマダラのほかにリュウキュウアサギマダラが1頭寿命が尽きたようで死にました。

母親蝶が元気なのはいいことなのですが、なんだか際限なく卵を産むようで恐ろしくなっています。産んだ卵はみんな私が預かって育てるつもりですが、数が多すぎると今度は餌に困ります。春からえさの準備はしていますが幼虫の食欲はすさまじいものです。このままでは、足りなくなる恐れがあります。

いきものを飼うとか育てるにはそれなりの覚悟が必要ですね。

 


先日やって来たマダラチョウたち

 

 

 

蝶たちは次の世代のために卵を産みます。 

 

イケマの葉や新芽に産卵

 

 

数日で卵は孵化して幼虫に

イケマへの産卵と幼虫

トウワタを食べるカバマダラ

ツルモウリンカを食べるリュウキュウアサギマダラ

 

 

幼虫は餌となる食草を食べて日に日に大きくなります。コイケマを食べる幼虫たち。

一番大きいツマムラサキマダラの幼虫

イケマで育つツマムラサキマダラの幼虫

イケマに付くスジグロカバマダラの幼虫

トウワタに付くカバマダラの幼虫

ツルモウリンカに付くリュウキュウアサギマダラの幼虫

コイケマにつくスジグロカバマダラの幼虫

トウワタで育つツマムラサキマダラの幼虫

 

 

食草の準備

イケマ

イケマは南の方にはない植物ですがスジグロカバマダラとかツマムラサキマダラなどのマダラチョウの代用食としてはとてもいいようです。

 

 


初夏のみかん南津海(なつみ)が40歳になりました

2019年07月01日 | 日記

今日の花

バラの花束  南津海が40歳を迎えたことでお祝いの花束をいただきました。素敵なアレンジですね。大内バラ園のお花です。

 


 昨日は6月30日、一年の前半が終わりましたね。この時期には南津海の販売も大方終り私の仕事も少し楽になってきました。それに合わせて、友人のAさんが南津海の40歳を祝う会を催してくださいました。イベント会場を借りての開催で多くの方々が参加してくださいました。Aさんと会の準備をしてくださったお仲間の方々には本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。それと同時に、南津海と共に歩んできた私も40歳も齢をとってしまったのだなとの感慨に一日浸っていました。

40年前と言えば私が32歳です。当時のいろんなことが思い出されました。若い時というのは今の私と比べると社会的経験・知識などは少ないけれとやはり自由でおおらかだったような気がします。夢とか希望は今だって当時に負けないつもりです。一度32歳の私に手紙を書いてみるといいかもしれませんね。

 


南津海は40歳になりました

 南津海は初夏に食べられるみかんとして、全国でもたくさん作られるようになり最近は生産量が1000トンを超えるようになっているようです。1000トンの南津海はいったい何個でしょうか。みかんの様に1個100gとして単純に計算すると1千万個になります。まだまだ日本の人口1億人が全員食べられる数には及びませんが、各地のスーパーなどで見られるようになりました。

それでは、生まれて40年経った南津海の木はどんな大きさになっているでしょうか。鉢に播かれた種から出てきた南津海の芽は最初はたった1本の小さな木でした。南津海の実が美味しいとわかってからその木の枝を取って接ぎ木で次々と子供の木が出来てきました。今全国で何本の南津海の木が植えられているのか単純に計算してみましょう。1本の南津海の木から20㎏の実がとれるとして1000トンを20㎏で割ると5万本になります。各地で栽培されている5万本の南津海の木を1本にくっつけてみるとそれはそれは巨大な木になると思います。

 

 

 

 

今こんな南津海の木ですが、たった一粒の種から始まったのです。40年前のことでした。