市場は混戦状態に入りそうだ。
このブログで調剤市場は大きく3極分化すると伝えている。
その3極分化は見事に薬局の組織によって色分けされるような気がしている。
1つは従来からある日本薬剤師会の会員を中心とした職能団体である。
次は比較的中規模から大規模が所属する日本保険薬局協会の業界団体である。
そしてドラッグストアが中心となった日本チェーンドラッグストア協会は商業団体である。
最も勢いがあるのはドラッグストアである。
ここは協会というより独自に調剤部門を戦略的に考えている。
後ろ支えとなっているのは経済産業省になる。
基本は小売業にあり、調剤はインバウンドに代わる成長部門として強化している。
次は何といっても調剤を専門とした日本保険薬局協会となる。
ここは情報のパイプがしっかりしている。
厚生労働省も政策の施行に協力的なので裏から支えられているようだ。
そして残念ながら…。
その調剤市場に新たな風が吹きそうだ。
すでにご存じだと思うが10月からマツモトキヨシHDとココカラファインが統合する。
新会社の商号は「マツキヨココカラ&カンパニー」だそうだ。
何とも長い商号である。
領収書をもらう時に苦労しそうだ。
第三者の勝手であるが「ココカラマツキヨ」の方が、会社が変わった感がある。
存続会社としてのマツモトキヨシが、ココカラ変わりますって宣言しているようでいい。。
両社の統合により売上規模は1兆円を超える。
調剤の売上も1,100憶円を超える見込みとなっている。
こうなるとウエルシアHDの1,700憶円を筆頭に1,000憶円を超えるドラッグストアがスギHDとマツキヨココカラの2社となる。
単純にもうドラッグストアとは呼べない。
調剤専門の薬局と肩を並べる規模となる。
しかも調剤売上の伸び率が半端ない。
新型コロナウイルスの影響で処方箋枚数の減少を訴える薬局がある。
その多くがドラッグストアに流れているのではないだろうか。
ドラッグストアは大きく2つに分類される。
薬剤師の確保が難しく、処方箋を扱っていないドラッグストアしかない地域がある。
その地域の処方箋枚数は多少の減少はあるが、処方箋単価が上がって、昨年の秋ころから売上的には回復傾向がみられる。
ところが都市部には処方箋を扱うドラッグストアが多く、そこへ流れているせいなのか回復傾向が見えてこない。
それをいつまでもコロナ禍のせいにしていると大変なことになる。
処方箋を引き寄せる努力が足りない。
その努力が手遅れになってからでは“勝負あった”となる。
大きな変化の風が吹く。
風よけで守るのではなく風を取り込む仕組みが大事になる。
因みに、どうしたらいいのかは私に聞かないで欲しい。
いくら言ってもやらなければ意味がない。
“馬耳東風”に貸す耳はない。
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