これから5年先が始まる。
医薬品医療機器等法(薬機法)の改正が12月4日に交付され、その施行に向けた準備が始まった。
厚生労働省は法案が決まってから詳細の省令を考えるわけではない。
さらに、その先にある各種課長通知も同じである。
既に、あるべき姿に向けて制度は動かされている。
そこに気づけないと時代のふるいから振り落とされる。
これからをしたたかに生き抜くには、そのあるべき姿の追求が必須になる。
目先の報酬改定に右往左往している場合ではない。
薬機法は原則5年ごとに見直される。
と言うことは、今回の改正は5年先のあるべき業界の姿を写し出している。
元になった考え方は「患者のための薬局ビジョン」が生きている。
ザックリと5年先は2025年だ。
のど元過ぎているので忘れたかもしれないが、「患者のための薬局ビジョン」には、かなり具体的な2025年が示されている。
2025年は団塊の世代が75歳以上になる。
社会保障制度の大きな山場を迎える。
とりあえず、そこまでの準備を今回の薬機法改正は促している。
この間にある診療報酬改定は2020年、22年、24年と3回ある。
特に、注目したいのは2022年からの3年間である。
75歳以上の高齢者の伸びが4%を超える。
2016から18年の平均が3.3%だったのと比較すると、その高さに驚かされる。
先ほどの団塊の世代が主役だ。
社会保障費の増額も今までの5,000億円前後では間に合わず、8,000億円を超えるとの予測がある。
そんなお金はない。
これ以上は国も借金を出来ない。
消費税増税は国民から嫌がられる。
それでも増税に踏み込める勇気ある政治家などいない。
どうするニッポン!
今さらではあるが、もう一度、今回の薬機法改正の内容を検証して欲しい。
私にはかなり恐ろしい「地獄の目示録」のように思える。