医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

スイーツは外枠

2019-12-02 06:21:49 | 薬局

何と比べて厳しいのか。

 

27日の中医協では、資料として「医療経済実態調査の結果に対する見解について」が出された。

それぞれが厳しい現状を伝えているようだが、どこと比べて厳しいのかが見えてこない。

確かに、病院の利益率は一般病院全体が-1.6%であるが、国公立を除くと1.5%の黒字になる。

この違いはオペレーションのまずさによるものではないのか。

なぜ国公立が大きく赤字なのか。

民間が黒字になるのか。

そんな議論をすると先に進めなくなる。

 

気になるのは診療所の利益率である。

診療所全体では12.9%となっている。

特に、個人では31.8%にもなる。

これは会計処理の関係で仕方ないと言えば仕方ないが、同じ個人でも保険薬局では9.8%と低い。

ここで競っても仕方がない。

 

中医協で影響をもたらすのは健保連からの考察じゃないかと思う。

「保険薬局は全体で5.5%の黒字であり(H30年度)、H23年度以降安定的に黒字である」と書かれている。

因みに、「一般診療所は個人、医療法人それぞれ31.8%と6.0%の黒字であった」

さらに「歯科診療所は全体で20.5%の黒字であり(H30年度)、H29年度と比較して0.3ポイント上昇した」との記載である。

一般診療所も歯科診療所も「安定的に黒字」は表現されていない。

なぜ保険薬局だけ「安定的に黒字」と修飾されるのか。

意味わかんない?

 

さらに、次回も大手調剤チェーンが狙われそうな暗示を感じさせる部分がある。

「法人については同一グループの店舗数が多い薬局ほど損益差額率が高い」として、20店舗以上だと7.6%の黒字と示されている。

そして「調剤基本料別にみると、いずれも黒字であり、調剤基本料3-イが9.6%と最も高い水準であった」としている。

これは大手調剤チェーンの門前又は敷地内薬局を示していると思われる。

これらは明らかに、次回も「外枠」で締め付けられそうな気配を感じさせる。

 

上記のことを指摘するのは中医協だけではない。

全世代型社会保障検討会議でも同様に門前薬局等の給付引き下げが提案されている。

 

日本薬剤師会からも資料が出されている。

ざっと見たところ、ここにも「外枠」を容認するようなまとめ方を感じた。

自分たちを守るには、何かを犠牲にしなければならないのかもしれないが、同じ仲間として支え合う仕組みが欲しいような気がする。

度が過ぎると組織からスピンアウトしてしまう。

その影響は大きい。

 

いつの間にか「外枠」が当たり前になるつつある。

それでも1:0.3を維持しているというのか。

 

 

 

コメント
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