医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

不思議に思わぬふしぎ

2017-11-02 06:26:59 | 薬局
納得がいかない仕組みだ。

先日の財政制度等審議会で、最も気になるのが「調剤基本料」の要件である。
どうも集中率も受付回数も範囲が広がりそうだ。
そうなると「調剤基本料2・3」が増えることになる。
もしそうなると「基準調剤加算」の算定もできなくなるので、かなり減算の影響が大きく出る。
しかも今回は大手調剤チェーンだけではなく、中小薬局に対するマンツーマン薬局も危なさそうだ。
受付回数が1,200回を超え集中率が90%はかなり危ういゾーンかもしれない。
そんな危機感を持っているのだろうか。
その財政制度等審議会で何が話し合われたのか知らない薬局が多い。
どこからも情報がない。

ここから抜け出すには「かかりつけ薬剤師指導料」の算定が必須となる。
現状では常勤扱いの薬剤師数の半数以上が"かかりつけ薬剤師"であり、さらに薬剤師1人につき「かかりつけ薬剤師指導料」の算定回数が100回以上となっっている。
このハードルはかなり高い。
例えば、1日100枚前後の処せんを応需しているとする。
そこに3人の薬剤師が対応していたとしたら、基本的に"かかりつけ薬剤師"は2人必要になるだろう。
この薬局が「調剤基本料1」になるためには、3人分の「かかりつけ薬剤師指導料」の算定である300回以上必要になる。
ところが患者への服薬指導を充実させた他の薬局では薬剤師5人で対応していた。
こうなると"かかりつけ薬剤師"が3人必要で、「かかりつけ薬剤師指導料」は500回以上となる。
これは明らかに大きな矛盾である。
処方せん枚数が40枚に限りなく近い薬剤師で対応した方が有利となる。
ではそのサービス面ではどうかというと、明らかに5人の薬剤師が1人平均で20枚の方が物理的にいいように思える。
どうも「かかりつけ薬剤師指導料」には納得性に欠けるにもかかわらず、何も苦情が出ないのが不思議だ。

実際に1人の薬剤師が1日に40枚もの処方せんに対応可能だろうか。
大手調剤チェーンでは20から25枚程度だと聞いている。
まして「かかりつけ薬剤師指導料」を算定する患者には服薬指導に時間を要するはずである。
その前に、今の業務の流れで個別の患者に"かかりつけ薬剤師"が本当に対応が可能なのか。
現状の調剤業務を見直さないとできないはずだ。
薬剤師が処方せんを受け取り、調剤をして、服薬指導までを1人の薬剤師が行うような小さな薬局なら可能かもしれない。

お利口さんの薬剤師は言われたままにやろうとして、結果として「やらない」と評価される。
損な性分かもしれない。


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