医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

すきまとり

2017-08-07 05:32:09 | 薬局
やる時はやる。

ここ数年の医療費増は薬剤費の伸びが大きい。
2015年ではC型肝炎治療薬が画期的な効果を発揮した。
あまりに高価薬だったせいか偽造薬まで流通してしまった。
さらに2016年ではオプジーボが猛威を振るった。
これが毎年薬価改定のきっかけとなった。

厚生労働省から出された資料に「医療費の伸びとその要因分解」というのがある。
それによると2011年の薬剤費の伸び率は1.2%であったが2015年では1.8%となっている。
技術料は0.9%と変わらず、高齢化分は1.0から1.1%ととほぼ横ばい。
今や医療費抑制は薬剤費の抑制に重点が置かれつつある。

医療費の中の薬剤費のパイに、ある程度の制限(枠)を想定すると、有益な新薬を入れるためには、なんらかの隙間を作る必要が出てくる。
例えば、新薬創出加算の品目見直し、長期収載品の薬価を下げる。
後発医薬品はすでに先発医薬品の半分になった。
10社以上の参入には40%と大幅な引き下げである。
さらに「後発医薬品調剤体制加算」などで切り替えにインセンティブを出している。
こうして隙間を作る方向が見えている。
この影響を大きく受けるのが薬局である。
もっとも処方される薬の薬価が下がる。
処方せん単価が上がる見込みは極めて薄い。

さらに「骨太の方針」では2017年6月に70%の目標を掲げていたが未達に終わったようだ。
予想値では65.1%らしい。
今年の「骨太の方針」には2020年9月には80%と新たな目標が出されたが、現状から考えるとかなり難しい。
そうは言っても医療費抑制は待ったなしだ。
是が非でも80%にもってくるはずである。
たった3年少々で15%もの使用率アップは秘策がないとできない。

そこで私の予想であるが、今回の「骨太の方針」から消された部分が密かに復活すると思っている。
「骨太の方針」にはわかりづらく書かれているが、要約すると先発医薬品と後発医薬品との差を患者負担にする。
これはEUで使われている「参照価格制度」である。
後発医薬品の最高価格を「参照価格」に設定すると、先発医薬品との差額が自己負担になる。
「参照価格」を下回った薬価は通常通り1割または3割負担となる。
合わせた額が患者負担である。
ただ、ここに問題が生じる。
今の制度では後発医薬品薬価は先発医薬品薬価の半分から始まる。
先発品が百円なら後発品は50円となる。
その差額は大き過ぎる。
そこで先発医薬品の薬価を大幅に引き下げて調整する。
これを見越して既に先発医薬品を見捨てた製薬メーカーもある。
例えば、先発医薬品薬価を60円にする。
患者負担は60円と50円の差額10円と50円分の3割または1割となる。
これでも患者からすると負担が大きい。
患者自らが後発医薬品への切り替えを求めてくる。
この時に「後発医薬品調剤体制加算」は無くなっているか、設定が80%になっているような気がする。

「骨太の方針」には今年度末までに結論を出すように記されてた。
という事は2018年の改定には間に合わない。
2020年に打ち出し4月から9月末までの半年で一気に追い込む作戦だ。

どうだろうか。

先週の火曜から出張で久々に東京に戻る。
お陰様で台風の影響も直接はなかった。
ただ、昨日は鹿児島、宮崎方面の参加者には迷惑をかけてしまった。
どこかでお返ししたい。




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コメント (3)
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