医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

乾いた雑巾

2017-05-19 06:26:37 | 薬局
この反動がどこに来る。

先日は、調剤薬局全体が”減収減益“に時代の変化を感じる話しを書いた。
同じ現象は医薬品卸にも襲いかかっている。
基本的には”減収大幅減益”となった。
特に、C型肝炎治療薬を扱っていたスズケンと東邦、葦の会などは”減収“が大きく響いている。
ここにも時代の変化を感じさせる。

ただ、不思議なのは医薬品卸ではないが、例の会社の調剤事業については”増収増益“と株価も上昇している。
この時期だけに微妙な感じを受ける。

医薬品卸の経営回復は見込めるのか。
薬価が毎年改定になると確実に売り上げの確保が困難になる。
もちろん買う側も薬価が下がっても同じ額の差益を要求してくる。
価格交渉は混迷を極めることが予想できる。

そんな中で、新たな動きが始まった。
4月から始まった「地域医療連携推進法人」である。
まだ、4カ所ほどしか認められていないが、既に1つの法人が動き出した。
この「地域医療連携推進法人」は地域医療に向けた連携事業への手段であるが、医薬品などの共同購入もできる仕組みである。

三重県にある藤田保健衛生大学病院を中心とした「尾三会」が、医薬品の共同交渉に向けて準備を進めている。
藤田保健衛生大学病院だけでも1,435床もあるマンモスだ。
ここに100~300床の病院が7施設、診療所が2施設が加わる。
その取引額は年間で約133億円になり、扱い品目も5,000種類にもなる。
この市場を指をくわえて見ているわけにはいかない。
取引卸は5社に絞られたそうだ。
当然、この5社のしのぎ合いが始まる。
規模によってメリットの濃淡はあるが、医療機関側として毎年数10万円から数100万円のコスト削減になるそうだ。
そのコストダウン分が医薬品卸からの利益の捻出となる。
この成功事例が他の地域にも蔓延する。

「骨太の方針」を実行する政府の経済・財政再生計画(改革工程表)にある後発医薬品の使用割合は、2017年6月までに70%、2018年から20年までの早い時期に80%の目標が難しくなっている。
これを受けて厚生労働省は先発医薬品を選択した場合に患者負担が生じる「参照価格制度」の導入を検討しているようだ。
同時に後発医薬品が出た時に長期収載品の薬価を大幅に見直す案も併せて検討されている。

医薬品卸にとっては売っても、売っても売り上げが上がらない時代が近づいている。
もちろん利益が増える期待感などない。
厳しいコスト削減合戦が始まる。
薬局にとっては後発医薬品への切り替えが必須であり、価格交渉も暗礁に乗り上げる状態になる。
結果として、薬価差益の無い経営を強いられる。

売り上げは客数×客単価にある。
この原理原則を再度見直し戦略を練り直す必要があるのではないだろうか。

今日から6月のHSEセミナーが始まる。
実は、ここに活路あり。






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コメント (4)
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