医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

上手投げ

2017-03-30 06:29:55 | 薬局
大丈夫だろうか。

昨日の中医協では「調剤」について議論された。
既に、資料等を確認された人も多いと思うが、初めに中山薬剤管理官が資料の説明をした。
それに対して安倍委員が補足説明をしている。
・「かかりつけ薬剤師指導料」について、日薬の調査によると全処方の1%程度だそうだ。
これって明らかに自らの恥をさらしている様な気がする。
・「重複・相互作用防止加算」の算定回数は単なる疑義照会もあり算定件数だけの判断はできない。
これもおかしな話で、算定していないことはカウントできない。
何の言い訳にもなっていない。
同じ様な事は「かかりつけ薬剤師指導料」でも同じで、今までも”かかりつけ”としてやって来たのでと、あえて算定しない薬剤師がいる。
やっているのに算定しないのも不正請求である。
これも算定していないのでやっていないと厚生労働省は判断している。
・敷地内薬局に関しても不適切な事例があると主張している。
これも既に決まっている話である、
不適切かどうかは中医協での議論ではない。
・特定の医療機関からの集中率については認めながら、「今さら引越しをするわけにもいかない」と開き直りである。
言い訳のついでに、日薬の調べでは全国平均で1薬局当たり49医療機関、東京都では93医療機関からの応需だそうだ。
だから…なんだって。

この後に日医の委員から「かかりつけ薬剤師と普通の薬剤師は何が違うのか」と質問が出る。
安倍委員が答えようとすると「事務局に聞いている」と拒否された。
何と小ばかにした言い方だろうか。
ここは”ほえろ“と言いたい。

資料にある「薬局の特徴ごとの機能」(P42)に関して質問が出た。
「かかりつけ薬剤師・薬局での調剤」「いわゆる門前薬局での調剤」「いわゆる同一敷地内での調剤」「院内調剤(外来)」の区分があり、線の太さでメリットや特徴が示されている。
残念ながらここでも“沈黙は金なり“の戦法だったようだ。

支払い側の委員からは「医師による調剤」と「医薬分業」を分けて考える観点から「処方権と調剤権」の話が出る。
さらに、医薬分業の経済的効果が問われているが、ここでも”沈黙は金なり“で余計な事を言うと”金”がなくなりそうだ。
ここは援護射撃が必要だった。

医師会の攻撃はまだまだ続く。
いつもの様に高額な報酬をもらっている社長の会社を例に挙げて疑問を呈している。
事前に調査して準備したいたようだが、決算報告書から第1四半期の同意書の件数が58,000件で「かかりつけ薬剤師指導料」の算定が48,000回、第2四半期では61,000件の156,000回、ところが第3四半期になると76,000件の280,000回の算定となる。
同意書の3.68倍の算定である。
これに対して厚生労働省は把握しているかどうかを確認し、「一つの懸念としてかかりつけ薬剤師以外が算定していることも考えられる」と不正があるかのような発言をしている。
この後に「もし私の予想が間違っていた場合には先にお詫び申し上げます」と付け加えていた。

間違っているだろう。
四半期は3ヶ月ある。
1人の患者が月に1回の処方せんを応需すると3倍になる。
ありぇ~る。
次回の中医協でしっかり謝罪して欲しい。
事例に上がった会社も同じ薬剤師の仲間が働いている。

他の日医委員からは「かかりつけ薬剤師指導料」は、個別指導などできちんと患者のチエックが出来ているかどうか確認を迫っている。
これもひどい話だ。

話は「在宅」にも及んでいる。
医師の在宅訪問における「在宅時医学総合管理料」は、1人、2~9人、10人以上の同時診察で評価が低減される。
薬剤師の場合は、週40人まで同じ報酬はおかしい。
また、かかりつけ薬剤師は32時間の勤務で在宅など出来るのかと、なかなか痛いところを付いてくる。
残薬についても医師は毎回かかりつけ医として残薬の確認をしている。
それに対する評価がない。
院内調剤についても薬局との整合性がないなどの指摘もあった。
これに対してやさしい安倍委員は「院内の調剤基本料8点は低い評価だと思う」とコメントしている。
ここに評価したら薬局の報酬が減らされるのは明らかである。
でも、言っちゃった。

相手は2人がかりである。
真面目な薬剤師では対応が難しい。
気の毒には思うが中医協に出る前に想定問答くらいの準備は欲しい。

あなたにお任せなんだから。






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コメント (5)
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