医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

あなたにぞっこん

2017-03-02 05:52:07 | 薬局
進んでいない。

昨年の4月から始まった「かかりつけ薬剤師指導料」があまり進んでいない。
取りあえず昨年10月時点で「かかりつけ薬剤師指導料」の施設基準を届け出た薬局は51.4%になっている。
但し、この51.4%は無作為抽出した1,500薬局で、尚且つ有効回答率は46.9%と言うからあまりあてにはならない。
基本的に自信がある薬局は積極的に回答するだろうからだ。

先週はいつもの「薬局経営研究会」で大阪、広島、博多に行ってきた。
そこで参加者に「かかりつけ薬剤師指導料」の算定状況を尋ねると、あまり進んでいないことがわかった。
なぜ進まないのかと聞くと、薬剤師の納得と理解が得られないとの答えが多かった。
「普段の服薬指導と変わらない」、「患者負担が増えるほどの服薬指導はしていない」、「患者負担が申しわけない」などが理由だそうだ。
でも、これでいいのだろうか。

2016年度の「骨太の方針」には「かかりつけ薬剤師による服薬状況の一元的・継続的把握、服薬指導等への評価の新設を含む調剤報酬については、患者本位の医薬分業の実現の観点から、改定内容の『見える化』や効果の検証等を実施する」とある。
これは明らかに「かかりつけ薬剤師指導料」に寄せる国の期待を感じる。
やらずに放置していいものか。

医療費は超高齢社会と共に増え続ける。
それを少しでも抑えようと考えだされたのがムダな薬を排除することである。
重複・相互作用防止などと言っているが、余分な薬を発見して減らして欲しいからだ。
一元的・継続的は残薬の解消が狙いである。
これらを国は薬剤師に託している。
それをやってくれないなら“薬剤師なんか守らない”となりかねない。

大手調剤チェーンの動きは早い。
何かを察知したかのように「かかりつけ薬剤師指導料」の同意に躍起である。
多少の無理は感じられるが国の意図する方向に動いている。
問題は中小薬局にある。
なかなか薬剤師に「やれ」とは言えない。
もちろん上から目線で命令では動かない。
大事なことはなぜ”かかりつけ薬剤師“が必要で、その結果として患者がどう感じてくれたかじゃないだろうか。

私はセミナーや研究会などで、現に算定している患者からの声を大事にして欲しいと言っている。
「〇〇さん、私がかかりつけ薬剤師を担当して△月が経ちましたがいかがでしょうか」の質問に何と答えてくれるだろうか。
「あなたが担当で良かった」、「薬のことは安心できるようになった」、「助かります」などの声があると合格だ。
逆に「何も変わらない」、「そう言えばそうだったわね」、「何かしてくれたの」では反省になる。

そろそろ1年が経過しようとしている。
現状を振り返り、気持ちを新たに再度取り組んで欲しいものだ。






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コメント (2)
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