医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

好きにしてください

2015-09-12 06:05:05 | 薬局
俺が主導権だ!

電子版お薬手帳の行くえが迷走状態だ。
日本薬剤師会は電子版お薬手帳が薬歴で評価されると先走り、大阪版を全国に広めようとした。
一部の人にしか聞いていないが大阪ではほとんど使われていないそうだ。
その他にも大手調剤チェーンなどが独自の仕組みを導入しているが、その利用は意外にも少ない。
比較的若い人の利用はあるようだが、年配者にはそこまでの必要性も利用度も高くはない。
以前にもブログで書いたが、これだけたくさんの種類が出回り、互換性に欠ける仕組みはまとめようがない。
これに対して国も困っているのではないだろうか。

千葉大大学院薬学研究院の佐藤信範教授が厚生労働科学研究費補助金の「薬剤服用歴管理指導において具備すべき『電子化お薬手帳』の要件策定に関する研究」の報告書を7月に出している。
それによると紙媒体による現状のお薬手帳には患者情報として緊急時の連絡先やアレルギー歴、既往歴などが記載されている。
ところが電子化お薬手帳では反映されない。
個人のスマホなどを薬剤師に渡してまで確認をして欲しい人は珍しい。
これらを含めてセキュリティーにも問題がある。
さらに紙媒体を利用している患者の約2割が、自分で血圧、副作用歴、体調の変化、医療機関で記入してもらえなかった薬、予防接種の記録、市販薬の服用内容など多岐に及んでいるそうだ。
残薬や次回いらない薬、手術の年月日・医師名・病院名・病名を記入している人もいたと聞く。
これって厚生労働省があえて調査結果をアピールしている。
要は、ダメ出しって事だ。

そうは言ってもICTを活用した情報の一元化は必要である。
そこで新たに総務、厚生労働両省の政務官が設置した「クラウド時代の医療ICTの在り方に関する懇談会」を立ち上げ、個人が自らの生涯にわたる健康・医療・介護などの情報を時系列的に管理・活用するPHR(Personal Health Record)の環境整備に向けた実証プロジェクトを実施する報告書案を大筋で了承した。
内容は医師、歯科医師、薬剤師、看護師、ケアマネジャーらが患者情報を共有するための「かかりつけ連携手帳」の電子化などを盛り込んだ。

これは既にマイナンバーに盛り込まれており、5年後を目指した閣議決定である。
いろいろ各社開発した電子お薬手帳であるが無駄になりそうだ。
だいたい電子お薬手帳は薬局で盛り上がっていた。
薬局で作ったものを医療機関が「はい、そうですか」と聞くわけがない。
あたらしい「かかりつけ連携手帳」は医療機関主導だと聞いている。

何ともゆがんだ業界だ。





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コメント (2)
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