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もうすぐ

 メジャーリーグがもうすぐ開幕する。それに合わせるかのように、昨日発売された「週刊文春」に松井のインタビュー記事が載っていた。例年だったら、松井個人のことに質問が集中したであろうが、今年は松坂大輔がレッドソックス、井川慶がヤンキース、さらには先日足首を捻挫してしまい開幕はマイナーで迎えることになった桑田真澄らが、大挙してメジャーリーグに入団したため、どうしても質問が彼らがらみになってしまう。確かに彼らのことも気にはなるが、それよりも私は松井のことが何十倍も気にかかる男であるから、インタビューの記事も松井が自分自身について語ったものを中心に読んでしまう。
 
 骨折した手首については、「プレーには全く支障はない」、例年この時期苦しむ花粉症に関しては、「少し鼻水が出たり、目がかゆかったりはしていますけど、これまでみたいにひどくない」、さらに左ひざは「今年は今のところまったく気にならない」と言う。さらに、
 ―ことコンディションに関しては、ヤンキースでの五年間で一番いいのでは?
「そうなりますね」
 おお、毎年この時期体調の不備が囁かれてきた松井が、万全の状態でシーズンを迎えられるのか!体調さえよければ、技術的には問題ないだろうから、これは相当期待してもいいのではないか。いやがうえにも私の気持ちは高まってくる。
 ―その体調の良さがオープン戦にも表れている。
「(前略)いま自分のバッティングで、気になるところはないんです。一年目、二年目にはどうしてもやらなければならない課題があったけど、今はそういうのはない。今あるものを全体的にレベルアップしていけば、それなりに対応できるという自信はあります」
 そうだ、ヤンキースで4年間やってきたことは、たとえ昨年が不完全燃焼の年であったにしても、松井の身体の各部分にまで沁み込んでいるのだ。年齢が今年の6月で33歳になる松井だが、肉体的にも精神的にも技術的にも、常に進化し続けているのだ、何てすごい男なんだろう。さらに、逆説的な物言いになるが、松井にとって去年苦しんだ骨折が、今年はいい方向に作用してくれるかもしれない。連続試合出場記録が途切れたために、どんなことがあっても試合に出続けねばならないというプレッシャーから解放され、「体調とか、投手との兼ね合いとかで(試合に出場するかどうかを)判断できる」ようになった。適度に休みながらやっていけば、かなりの数字が残せるだろう。いや、そんなことよりも、連戦の疲れから身体が重そうにしている松井を今年は見なくてもいいのはホッとする。松井が試合に出ないのは寂しいが、それよりも体調万全な松井を見たい気持ちの方が、少なくとも私には強い。 
 ヤンキースのオープン戦を今年は一度も見ることができなかった。時折ニュースで何打席か見ただけだが、それでも今年の松井にはメジャー・リーガーとしての風格が漂いだしたと思う。オープン戦でHRを打った時にダイアモンドを一周する様子は神々しくさえあった(大袈裟じゃなく)。上に挙げたインタビューの中にも自信が漲っているように思う。必ずやる、今年の松井はそんなオーラに包まれている。
 ―もちろんすべては世界一の道へとつながっていく。
「四年間ヤンキースで戦ってきて、本当に世界一になることの難しさを痛感しました。だからこそ、どうしても勝ちたい。その思いは年々強くなっています」
 そんな松井にとって、松坂との対戦はさほど意識するものではないようだ。
「実際に松坂くんと対戦するのって、シーズンで三回か四回ですよ。だから特別に意識するより、やっぱり他の投手と同じように考える」
まさしく「不動心」。
 
 とにかく、今年の松井はすごそうだ。もうすぐ、本当にもうすぐだ、どれだけすごいのかが分かるのは。  
  
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