JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

スカイマークはどうなるのか?

2014-08-06 | シャック便り

この数日スカイマークが経営危機に見舞われたニュースが続いています。

総二階建ての超大型機A380で国際線に殴り込みをかけようとしたのですが、資金面で不安を感じたメーカーのエアバス社から契約解除を通告され、挙げ句に最大で700億円とも言われる違約金を請求されるのではないか、と報じられています。

今のスカイマークは無借金経営だとされていますが、700億円を用意できるはずもなく、同社の株価は急落しています。今後どうなるのか少し冷静に考えてみたいと思います。

 

[なぜエアバスは交渉を打ち切ったのか?]
スカイマークからエアバス社には継続して代金の一部が支払われていますが、そのうち今年4月分にあたる8億円が未払いとなっています。これがエアバス側の交渉打ち切りにつながったとされています。

 

[700億円も支払う必要があるのか?]
スカイマークが発注した6機のA380のうち既に初号機は完成、2号機もほぼ完成しているとされています。問題はこのスカイマーク向けの仕様でして、エコノミーシートが1席もなく1階がプレミアムエコノミー、2階がビジネスクラスになっています。

プレミアムエコノミーにしてもビジネスにしても値段が高止まりしており、一見したところ高収益を出しそうに見えます。ところが現実そうはゆかないようです。日本の航空会社ではANAがムンバイ線で同様の737-700を飛ばしていましたが、現在は後ろの方にわずかな席数ながらエコノミーを設置するように改装しています。

ということで航空会社としては敬遠したいヘンテコな仕様の機材は他の航空会社がそのままでは引き取ってはくれません。エコノミーの設置など他社仕様に改装し、塗装も塗り直す必要があります。新品とはいえケチの付いた機材は改装してもカタログ価格はおろか現在の相場でも売れず、かなりディスカウントして引き取ってもらうことになります。2機分の改装費やディスカウントが700億円の根拠なのかは定かではありませんが、こういった額をスカイマークに請求するのでしょうね。

 

[スカイマークはどうなるのか]
本日の報道で成田路線の撤退と成田の事業所閉鎖が報じられています。事実上国際線の計画は撤回したと見ていいと思います。

今後については「不採算路線からの撤退」「金融機関からの融資を受ける」などを明らかにしています。

さらなる撤退もあるとされていますがどこでしょうか?スカイマークの搭乗実績は同社のホームページで公開されておりそれを見ると2014年6月の全路線平均で65.6%となっています。恐らく70%前後が採算分岐点なので赤字だと分かります。

平均の65.6%を大きく下回っているのは
・成田-米子 28.1%
・神戸-茨城 51.1%
・神戸-米子 45.0%
・神戸-鹿児島 46.5%
・茨城-名古屋 13.4%
・茨城-福岡 43.1%
・米子-札幌 43.6%
・米子-那覇 45.6%
などとなっており、米子と茨城発着路線に集中しています。成田に続き整理されるとすればこの2つの空港だろうと思われます。さらに大胆なリストラとなれば神戸も安泰ではなさそうです。

 
[倒産はしないのですか?]
手持ちの現金が70億円少々あるとされ、直ちに運転資金がショートして倒産ということはないと思います。ただ同社は赤字が続いていますからこの70億円の現金もジリジリと減っています。遅かれ早かれ運転資金の融資を受けることになると思います。しかしながらエアバス社との交渉が決裂し差し押さえなどの事態になると最悪のケースはあるかも知れません。

 

A380で国際線に進出することは無謀だと思っていました。まず国内線のA330で足場を固めてからでも遅くなかったと思います。新規航空会社ではAIR DO・ソラシドエア・スターフライヤーが相次いで事実上破綻、支援を申し出たANAに羽田空港の発着枠を提供する事実上の別働隊と化しています。スカイマークがどうなるか流動的ですが、いずれどこかの会社と提携もしくは傘下入りのシナリオもあると思われます。

もう一つの新規航空会社であるフジドリームエアラインズ(FDA)は親会社の鈴与も含めて決算を公開しておらず今ひとつ分からない部分もあるのですが、飛行機を少しずつ増やしているなど健闘しています。羽田の発着枠を持っていないハンデがあるものの、身の丈に合った経営をしているのだろうと思われます。

コメント
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