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RAD 害にも益にもなる放射線

2012-10-08 21:04:38 | MSL

Astrobiology Magazineに9月24日付けのDavid GrinspoonさんのRADに関するインタビュー記事です。
David Grinspoonさんは、the Denver Museum of Nature & Scienceの宇宙生物学の学芸員です。
Curiosityの科学チームの一員で、RADを使用して、表面あるいは地表下で存在しただろう生命に放射線がどのように影響したか調査します。
下図で横たわっているのが、David Grinspoonさんで後ろにはPathfinderが展示されてますね。

Q:通常どんな種類の研究を行いますか?
A:私は宇宙生物学者です。また、私は惑星学の出身です。したがって、まさに広い意味で、私は、惑星の環境の進化を研究します。
他のいくつかの種類の惑星にも道楽半分に手を出しますが、私は、地球上か地球に似た惑星に最も興味を持っています。
私は、気候進化の比較研究、および惑星大気および地表面での放射線環境との相互作用による惑星の生命存在適性への影響や、その環境要因、およびそれらが時間とともにどのように変わるかを理解しようとします。
結局、私は、他の惑星の潜在的な生命存在適性に焦点を当てることで、惑星の進化を理解しようとしています。

Q:特にMSLで何を行いますか?
A:私はRADチームの共同調査者です。RADは放射線測定器です。初めて火星の地表面で直接、生命に有害な高エネルギー放射を測定することとなります。
しかし、いくつかの実例に寄れば、高エネルギー放射線は、害ばかりではなく生命に有益な場合もあるかもしれません。
RADチームの私の役割は宇宙生物学のための暗示されるものを考慮することです。

生命に結びつくか、生命の存在を表わすことができる複雑な有機分子に対する高エネルギー放射線の影響を見ることも含んでいます。
更に、火星の現在の生きている可能性のある潜在的生命及び過去の生命に対する高エネルギー放射線の影響を調査します。
そして、最終的に生物の個体数への放射線の影響。
放射線は進化の重要な要因のうちの1つです。それは変化を引き起こします。また、あるレベルの変化は発展に実際に良いことがあります。

私たちは、高エネルギー放射線を地表面で測定しています。更に地表下の土壌へどのように伝わるか理解しようと試みます。
火星では、地球とは異なる大気を通過した放射線があり、火星での過去の放射線をモデル化することに、私たちがよりよい仕事をする為の助けとして、現在の放射フラックス、あるいは火星の放射線量を理解しようとしています。

Curiosityの運用期間がいくつかの理由で変わることを期待してます。
主な理由は、放射線の主な源のうちの1つが太陽で、その太陽は、変動しており、太陽のフレアおよび太陽風などの変化があります。
また、太陽表面上で起こる出来事があり、それは高エネルギーの粒子を放出します。それらのいくつかは、火星を襲います。
従って、私たちは、Curiosityが地表面上にいる時に、太陽の変動が起こることを期待してます。
それらが太陽の変動に応じて起こるとともに、私たちはそれらの変動を直接測定することができるに違いありません。

更に、他の種類のより微妙な変化があります。
11年毎の太陽活動周期は、太陽系外から来る銀河宇宙線高エネルギー粒子の流入を変更します。
それらの変更が数年にわたって生じるので、長寿命のCuriosityが手助けしてくれます。
従いまして、多くの理由で、私たちは、Curiosityとその搭載機器の長く健全な運用を望んでいます。

その後、更に、Curiosityが主任務終了後の2-3年に亘ってSharp山を登るとすると、私たちは、異なる高所での放射線の微妙な変化を測定することができるでしょう。

Q:あなたの仕事は、どのようにして宇宙生物学質問に答えるのを支援しますか?
A:私たちは、惑星間空間および火星軌道で放射線を以前に測定したことがあります。
しかし、地表面では、初めてです。
私たちは、放射フラックスの地表面での存在を予想してモデル化しましたが、それは、放射線が大気を通して実際にどのように地表面に到達するかということに依存します。
Curiosityは、私たちが一般に惑星の表面上の放射線を予想する為の方法を学習するのを助けくれるでしょう。特に火星について。

一旦それが出来れば、私たちは、放射線が土の中の異なる深さで行っていることを理解する為のよりよい仕事をすることができます。
火星においては、今日生命がある場合それが恐らく地下にあるので、それは、大きい意味があります。
放射線は、火星の地表近くの潜在的な生命に対する2つあるいは3つの主な脅威のうちの1つです。
したがって、私たちは、有機物を破壊することができる土の中の過酸化水素および他の強いオキシダントの存在のと放射線の脅威を比較研究することができます。
そして、問題は、「複合体有機物がこれらの異なるプロセスによって破壊されない深さは、どのくらいか?」です。

実際的な方法で、私たちは、サンプリング戦略を手伝うことで、Curiosityのミッションを手助けします。
ミッションの主なゴールのひとつは、火星の過去の有機物の進化の痕跡を探すことです。
そして、我々の測定によって地表面下どの位の深さまたは、地表面のどんな種類の場所で複雑な有機物を見つけることが出来るかと言うことに最も有望な情報を与えることができます。

宇宙生物学コミュニティーは、放射線に関して、現在および過去の火星の土の異なる深さの環境を理解することでよりよい仕事をすることができます。
それは、恐らく火星のような惑星上の生物学上の主な限定因子のうちの1つだったでしょう。
火星は、現在、地球のような大気及び磁気圏が無いので、放射線から保護するような機能を持っていません。

Q:私の最後の質問です。あなたがRADチームに入っていることを人々に伝えることは、どの位クールなことですか?
A:私は、この仕事を愛しています。それは、文字通りに楽しい。それは、比喩的に文字的に「rad(かっこいい)」です。
それは、実行し、提案してそして作動してCuriosityの機器から学習するのを支援する為の根源的なことです。
私は、これ以上「rad」でエキサイティングなことを思いつきません。
イェー、私たちは、もっと情報を絞りとる必要がありますね。

下図は、RADによって火星地表面で初めて測定された結果です。

 


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