火星への道

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コンステレーション打ち切り

2010-02-06 11:43:09 | NASA


すでに各所で解説されていますが、当ブログでも触れておきます。
米国時間2月1日にオバマ大統領が11年度(2010年10月~2011年9月)の予算教書の中でNASAの計画である「コンステレーション計画」の柱である月有人探査計画を打ち切ることを発表しました。
この「コンステレーション計画」は、04年にブッシュ前大統領が打ち出したものですが、次世代ロケット「アレス」の開発が難航していたものです。
この計画で米国は、1972年にアポロ17号で2人の宇宙飛行士が月面に立って以来、長い中断がありましたが、20年までに月有人探査を実現することを目指していました。

オバマさんは、選挙戦の最中から教育が最優先と述べて宇宙開発には積極的な発言が無かったので、やっぱりという感じです。
「コンステレーション計画」を5年遅らせれば、教育予算が賄えるとも発言してました。
ブッシュが8年間も大統領をやり、短絡的なテロとの戦いと自由主義経済万能論が行き詰まり、大変な経済危機を世界が経験している現在の状態では、財政再建優先と雇用の創出に重点を置かなくてはならないので、やむを得ないかなと思います。
ただし、ホワイトハウス行政管理予算局のオーザッグ長官は「火星有人探査を視野に入れたより広い長期的な計画に移行する」という方針を示してます。
また、オバマ大統領もコンステレーション計画に代えて「我々を技術革新と発見への新たな旅路へと駆り立てる、米国の想像力に投資する野心的な新宇宙開発構想を立ち上げる」と言ってますので、期待して待って居たいと思います。
更に、NASAのボールデン長官は、「月探査計画中止は、米国が宇宙への大志を捨て去ったことを示す訳ではない。」と発言してます。
宇宙開発への熱意が受け継がれていくことを信じてます。

ただし、米国では宇宙産業がある程度の地位を占めているので、今回の決定により宇宙産業への打撃が予想され雇用問題等も含め議会の理解を得る為には、かなり大変な作業になるとの見通しが出ています。

米国の2011年度予算は、3兆8340億ドル(財政赤字1兆2670億ドル)
NASAの予算は、FY2010年 187.2億ドル、FY2011年 190億ドル、FY2012年 194.5億ドルとなってます。
コンステレーション計画には、すでに90億ドルが投じられ、今後も毎年30億ドルが投じられる計画であった。日本のダム工事やらの公共事業を連想しますね。
その代わりに、シャトルに代わる地球の低軌道に宇宙飛行士を送る商業宇宙輸送機を開発する為今後5年間で60億ドルの予算が充てられることとなっているんですが、かなりの減額となりますね。

NASAの予算は、下記にて
http://www.nasa.gov/pdf/420990main_FY_201_%20Budget_Overview_1_Feb_2010.pdf

Constellationのサイトは、下記にて
http://www.nasa.gov/externalflash/CxEMM_SITE/index.html

現在、有人の宇宙活動はISSでの活動が行われているのみで、家の縁側で日向ぼっこしている程度の活動しかできてません。
事務局の考えとしましては、月探査に余分な経費をかけるより、火星への有人探査計画を進めて欲しいと思ってましたので、今回、長い中断にならないで良い方向へ行くことを期待してます。
「アレス1」に関しては、デザイン的にも無理目な感じでしたので、一からやり直せるほうが良い結果が得られるのではと思います。
コメント (1)
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