弁護士の就職難のニュースです。就職できた人でも,都市部では,2~3年前に比べて,初任給が大幅ダウンしている例があると聞きます(以前の2/3~1/2)。正確な実態はわからないところがありますが,とにかく大変です。お隣の韓国でも,日本に先駆けて法曹人口が増やしたために,似た現象があると耳にします。以下,日経ネット関西版からです。
新人弁護士は就職難──「ノキ弁」や「タク弁」登場、司法試験の合格者急増で
司法制度改革に伴う法曹人口の急増で、各地の弁護士会が新人弁護士の就職難に頭を悩ませている。これまで一般的だった法律事務所への就職ができず、やむなく自宅を事務所にして独立したり、弁護士登録を先延ばししたりする新人も。弁護士会は「未熟な弁護士が増えかねない」と危機感を募らせ、1人事務所に採用を促すなど就職先の確保に躍起だ。
「事務所を継ぐ人は決まってますか」。大阪弁護士会で就職問題を担当する中本和洋弁護士は1人で事務所を経営するベテラン弁護士に会うたびに新人の受け入れを頼む。ただ、多くは「1人が気楽」「事務所が手狭」とつれない返事だ。
新人弁護士は独立するまでの間、先輩の事務所に就職して給料をもらう「居候弁護士(イソ弁)」になるのが一般的だった。だが最近は自宅を事務所にして独立する“タク弁”や、先輩の事務所で机を借りるだけで固定給をもらわない「軒先弁護士(ノキ弁)」になる新人が増えている。
日本弁護士連合会によると、昨年以降に「タク弁」になった新人弁護士は少なくとも十数人、「ノキ弁」も30人以上いるとみられる。給料の保証がないまま自ら仕事を探さなければならないノキ弁やタク弁は駆け出し弁護士にとって厳しい環境だ。
大阪弁護士会でも12月に登録予定の新人116人のうち3人は就職先が決まらず、自宅を事務所にする見込み。月約4万5000円の弁護士会費が払えず、弁護士登録を先送りして就職活動を続ける人もいる。中本弁護士は「昔は引く手あまただったのに」と嘆く。
原因は法曹人口の急拡大だ。今年の司法修習修了者は法科大学院出身者が新たに加わり、約2300人と昨年の約6割増になる見込み。日弁連などは「弁護士の質を保つためにも、まずは先輩の下で経験を積むのが望ましい」と就職先の開拓に取り組む。
大阪弁護士会は今年6月、就職問題を扱う特別委員会を全国で初めて設置。まだイソ弁がいない若手弁護士の事務所にも新人を積極的に採用するよう呼びかけることを決めた。京都弁護士会は今年から、地元の弁護士と就職希望の修習生を引き合わせる懇談会を開いている。
一方、弁護士が少ない地方からは増員に期待する声が上がる。岡山県では今年、昨年の4倍にあたる28人が県内の弁護士事務所に就職する。従来は地元出身者が多かったが、県外からの“Iターン組”も増加してきたという。
もっとも、業界では「仕事のパイの奪い合いになる」、「都市部で就職できなかった人材が使い物になるのか」といった本音も漏れる。弁護士版の“就職氷河期”はますます厳しくなりそうだ。
新人弁護士は就職難──「ノキ弁」や「タク弁」登場、司法試験の合格者急増で
司法制度改革に伴う法曹人口の急増で、各地の弁護士会が新人弁護士の就職難に頭を悩ませている。これまで一般的だった法律事務所への就職ができず、やむなく自宅を事務所にして独立したり、弁護士登録を先延ばししたりする新人も。弁護士会は「未熟な弁護士が増えかねない」と危機感を募らせ、1人事務所に採用を促すなど就職先の確保に躍起だ。
「事務所を継ぐ人は決まってますか」。大阪弁護士会で就職問題を担当する中本和洋弁護士は1人で事務所を経営するベテラン弁護士に会うたびに新人の受け入れを頼む。ただ、多くは「1人が気楽」「事務所が手狭」とつれない返事だ。
新人弁護士は独立するまでの間、先輩の事務所に就職して給料をもらう「居候弁護士(イソ弁)」になるのが一般的だった。だが最近は自宅を事務所にして独立する“タク弁”や、先輩の事務所で机を借りるだけで固定給をもらわない「軒先弁護士(ノキ弁)」になる新人が増えている。
日本弁護士連合会によると、昨年以降に「タク弁」になった新人弁護士は少なくとも十数人、「ノキ弁」も30人以上いるとみられる。給料の保証がないまま自ら仕事を探さなければならないノキ弁やタク弁は駆け出し弁護士にとって厳しい環境だ。
大阪弁護士会でも12月に登録予定の新人116人のうち3人は就職先が決まらず、自宅を事務所にする見込み。月約4万5000円の弁護士会費が払えず、弁護士登録を先送りして就職活動を続ける人もいる。中本弁護士は「昔は引く手あまただったのに」と嘆く。
原因は法曹人口の急拡大だ。今年の司法修習修了者は法科大学院出身者が新たに加わり、約2300人と昨年の約6割増になる見込み。日弁連などは「弁護士の質を保つためにも、まずは先輩の下で経験を積むのが望ましい」と就職先の開拓に取り組む。
大阪弁護士会は今年6月、就職問題を扱う特別委員会を全国で初めて設置。まだイソ弁がいない若手弁護士の事務所にも新人を積極的に採用するよう呼びかけることを決めた。京都弁護士会は今年から、地元の弁護士と就職希望の修習生を引き合わせる懇談会を開いている。
一方、弁護士が少ない地方からは増員に期待する声が上がる。岡山県では今年、昨年の4倍にあたる28人が県内の弁護士事務所に就職する。従来は地元出身者が多かったが、県外からの“Iターン組”も増加してきたという。
もっとも、業界では「仕事のパイの奪い合いになる」、「都市部で就職できなかった人材が使い物になるのか」といった本音も漏れる。弁護士版の“就職氷河期”はますます厳しくなりそうだ。
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