16 私とも親しかった50歳を過ぎたばかりの働き盛りの弁護士が,飲酒過多が原因と思われる肝臓ガンで亡くなったという出来事に,飲酒に関して日頃から反省気味の私は衝撃を受けた。丁度その直後に,私が年3回受けている健康診断の時期がやってきたので,私は掛かり付けの医院で血液検査を受けた。厳しい節酒を決意し,断酒状態になってから13日目のことであった。そして医師に,私が「肝臓ガンの心配はないか検査して戴きたいのです。」と告げた。
17 その数日後血液検査の結果を聞きにその医院に出かけた。医師は,従来とは別の検査を行なって下さっており,その腫瘍マーカーの数値を示して,「肝臓ガンの心配はないと思いますよ。」と言われたが,更に私が強く希望したため,すぐにCTスキャン検査もして下さったが,やはり肝臓ガンの心配はないとのことであった。但し脂肪肝であると告げられた。
18 血液検査の結果では,暫く飲酒していないためか,中性脂肪の数値が大幅に低下し,ほぼ正常値になっていた。血糖値を示すHbA1c(ヘモグロビンエイワンシー)は5・9(6・2以下が正常値)であった。飲酒量に関するγーGTP(ガンマジーティーピー)は少しだけ数値が低下していたが,正常値ではなかった。医師は,「この数値の低下にはもう少し時間がかかる。」と言われた。
19 そして医師は笑いながら,「この検査結果では,ほんの少し栄養失調ですね。」と言われた。赤血球数などがほんの少し不足しているというのである。「エッ!本当ですか?嬉しいです!」などという妙な会話が交わされた。
20 家でも外でも正当な理由なく酒を飲まないと決意してから,なぜか外での飲酒の機会もなく,1か月が経過した。多い時は週2~3回飲んだことも少なくないので,また近く飲酒する時が来ることは間違いない。正当な理由があれば飲んでよいことになっている。久しぶりに酒の味を思い出した後も,「家でも外でも正当な理由なく飲酒しない。」という決心が崩壊しないでいられるかについては,依然として宿題のままである。現在31連勝0敗0分けである。「分け」は正当な理由があって飲酒した場合に記載される。
21 この間少し時間をかけて,「トレーニング一覧表」を改訂した。内容もきめ細かく充実し,使い易くなった。朝の起床時から夜の着床時まで,運動でのトレーニング項目や仕事や読書や趣味などの計画も記載される。従って,その一覧表に記載された項目を順番に従って淡々と実行してチェックして行けば,いつの間にか多くのトーニングができてゆくという話である。これは役に立つ「システム」のような気がする。
22 体重を1日30グラム,月1キロのペースで減らそうと思っていたところ,この1か月で2キロ余りも痩せてしまった。飲酒したい思いと断酒が続くことの喜びとの葛藤に,断酒の喜びが勝利しているということのようである。
23 今後どのような展開が待っているのかは不明であるが,何となく面白いことになりそうで,期待できそうな気もする。そういえば以前「いつまでもデブと思うなよ」(岡田斗司夫著)という本を読んだことを思い出した。1年で体重を50キロ減らして67キロになったというのである。私も少なくとも1年で10キロ減らして,70キロを少し下回る体重を目指すことにし,脂肪肝ともサヨナラしたい。(ムサシ)