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アイヌ民族首長「バフンケ」の遺骨返還へ 北大、遺族の要請受け

2018-07-24 | アイヌ民族関連
北海道新聞07/24 02:25 更新

 昭和初期に樺太(サハリン)から研究者が持ち出したアイヌ民族の首長バフンケ(1856~1920年ごろ、日本名・木村愛吉)の遺骨が、北大から遺族に返還される見通しとなった。北大はこれまで、身元が特定できた34体の遺骨のうち4体を地元のアイヌ民族関係団体に引き渡した。バフンケの遺骨は34体の一つで、写真や逸話が残る有力者の遺骨返還は初めて。
 バフンケは明治時代、漁業などで財を成し、樺太の東海岸の「アイ」と呼ばれたコタン(集落)の首長を務めた。言語学者の金田一京助や、アイヌ民族の先駆的研究で知られるポーランド人学者ブロニスワフ・ピウスツキの書籍などに記録がある。ピウスツキは、バフンケのめいのチュフサンマと結婚した。
 北大が2013年に公表した遺骨収集の調査報告書によると、バフンケの遺骨は1936年(昭和11年)8月、当時の北海道帝国大(現北大)の医学部が、樺太南部の栄浜村相浜のアイヌ民族の墓地から解剖学の研究資料として収集したとされる。
 遺骨の受取人は、ピウスツキとチュフサンマの孫で横浜市の会社経営木村和保(かず やす)さん(63)。知人の研究者から北大に祖先の遺骨が保管されていると聞き、返還を申し入れた。返還の具体的な日程は今後、大学側と協議する。木村さんは「遺骨は戻ってきても収集の詳しい経緯は分からないまま。北大には謝罪と誠実な説明を求めたい」と話す。
 アイヌ民族の遺骨は国内12大学や博物館などに1600体以上あるとされ、国外の博物館などにも保管されている。北大が身元を特定した34体のうち、日高管内浦河町の4体は昨年10月、アイヌ民族有志の団体「コタンの会」に返還された。8月には、十勝管内浦幌町の13体が浦幌アイヌ協会に引き渡される予定だ。(斉藤千絵)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/211550
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