JBpress-2015.5.30(土)
早いもので、大型連休からもう1カ月が過ぎようとしています。連休の楽しかった思い出に浸りながら、もう夏休みが待ち遠しい方もいらっしゃるでしょう。私はゴールデンウィーク明けに休みをもらって旅行に行ってきました。旅って本当にいいですね! 戻ってきたばかりなのに、もう次の休みの旅行計画など考えてしまう今日この頃です。実現するかどうかは分かりませんけれど。
というわけで今回は、旅の熱気冷めやらぬうちに、旅に関係する書籍を中心に紹介していきたいと思います。
明治時代に東京から蝦夷を目指した英国人女性
まずは5月に刊行されたばかりのコミックから。『ふしぎの国のバード』(佐々大河著、KADOKAWA/エンターブレイン)。
(写真)『ふしぎの国のバード(1巻)』(佐々大河著、KADOKAWA/エンターブレイン、670円、税別)
時は明治11年、最低限の荷物を持って、お供の通訳をひとり連れ、東京から蝦夷(北海道)までを旅した英国人女性冒険家がいました。彼女の名前はイザベラ・バード。旅の目的は、明治維新前の滅びゆく日本古来の生活を記録に残すこと、そして最北の地で文字を持たぬ民族・アイヌの人々に会うことです。
ところで、ご存知の方も多いと思いますが、本作主人公のバード女史は実在の人物です。実際に明治11年に来日し、北海道まで日本海側のルートを通って旅をしています。その旅の記録は、『日本奥地紀行』として出版されています。作中には記載されてはいませんが、本作は『日本奥地紀行』のコミカライズになるかと思います。
コミック第1巻目は横浜から日光までの旅が描かれています。作中には、市場や、今とは違う汽車の中の風景など、明治初期の市井の人々の暮らしが描かれています。作中でバードは、日光から北の方へ進んでいくほど明治維新前の生活がそのまま残っている、時を遡っていくような旅をしたいと語っています。
本書で、バードと一緒に過去の日本へ時を遡る旅をしてみてはいかがでしょう。近代化の影陰で消えてしまった日本古来の暮らしを再発見することができるかもしれません。また、これを機会に『日本奥地紀行』の方と読みくらべてみるのも一興です。ところで、今気付いたのですが実際のバードが旅をしたのは彼女が46歳の時。コミック版の彼女は・・・見た目が若いですね。ともあれ、次の巻の刊行が待ち遠しい1冊です。(続きあり)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43874
早いもので、大型連休からもう1カ月が過ぎようとしています。連休の楽しかった思い出に浸りながら、もう夏休みが待ち遠しい方もいらっしゃるでしょう。私はゴールデンウィーク明けに休みをもらって旅行に行ってきました。旅って本当にいいですね! 戻ってきたばかりなのに、もう次の休みの旅行計画など考えてしまう今日この頃です。実現するかどうかは分かりませんけれど。
というわけで今回は、旅の熱気冷めやらぬうちに、旅に関係する書籍を中心に紹介していきたいと思います。
明治時代に東京から蝦夷を目指した英国人女性
まずは5月に刊行されたばかりのコミックから。『ふしぎの国のバード』(佐々大河著、KADOKAWA/エンターブレイン)。
(写真)『ふしぎの国のバード(1巻)』(佐々大河著、KADOKAWA/エンターブレイン、670円、税別)
時は明治11年、最低限の荷物を持って、お供の通訳をひとり連れ、東京から蝦夷(北海道)までを旅した英国人女性冒険家がいました。彼女の名前はイザベラ・バード。旅の目的は、明治維新前の滅びゆく日本古来の生活を記録に残すこと、そして最北の地で文字を持たぬ民族・アイヌの人々に会うことです。
ところで、ご存知の方も多いと思いますが、本作主人公のバード女史は実在の人物です。実際に明治11年に来日し、北海道まで日本海側のルートを通って旅をしています。その旅の記録は、『日本奥地紀行』として出版されています。作中には記載されてはいませんが、本作は『日本奥地紀行』のコミカライズになるかと思います。
コミック第1巻目は横浜から日光までの旅が描かれています。作中には、市場や、今とは違う汽車の中の風景など、明治初期の市井の人々の暮らしが描かれています。作中でバードは、日光から北の方へ進んでいくほど明治維新前の生活がそのまま残っている、時を遡っていくような旅をしたいと語っています。
本書で、バードと一緒に過去の日本へ時を遡る旅をしてみてはいかがでしょう。近代化の影陰で消えてしまった日本古来の暮らしを再発見することができるかもしれません。また、これを機会に『日本奥地紀行』の方と読みくらべてみるのも一興です。ところで、今気付いたのですが実際のバードが旅をしたのは彼女が46歳の時。コミック版の彼女は・・・見た目が若いですね。ともあれ、次の巻の刊行が待ち遠しい1冊です。(続きあり)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43874