京都新聞【 2015年04月30日 17時17分 】
(写真)世界の文字や言語のカタカナ表記の方法をテーマに事典を編集した庄司さん(大阪府吹田市・国立民族学博物館)
世界各地の公用語をカタカナで表記するとどうなるかをまとめた「世界の文字事典」(丸善出版)を、国立民族学博物館の庄司博史名誉教授が企画、編集した。英語やフランス語など学習機会の多い言語だけでなく、トルコ語やアフリカーンス語など約80の現代語を取り上げ、発音をカタカナにしてつづる方法を解説している。
■デジャヴュ、クベンハウン、ヴァーグナー…
アルファベットなどラテン系文字からなる欧米の言語をはじめ、キリル文字のロシア語、アラム系文字のアラビア語やウイグル語、東アジアのアイヌ語など多様な文字系統の言語を取り上げ、計78人の研究者が執筆。成立の背景や音韻体系のほか、つづりを現地に近い発音で読み、カタカナにするための基礎知識を文例などとともに紹介している。
表音文字の読みを日常的に使うカタカナで可能な限り正確に再現することが目的で、日本でよく見かけるカタカナ表記と本来の発音とのずれが浮かび上がる。例えば、既視感を意味するフランス語のデジャヴは「デジャヴュ」、デンマークの首都コペンハーゲンは「クベンハウン」、ドイツの作曲家ワーグナーは「ヴァーグナー」のほうがそれぞれ原音に近いという。
日本では海外の言語を英語風に読みがちで、地図や雑誌、論文などでも人名や地名、商品名が本来の発音とは異なる読みや、不自然なカタカナ表記で広がることもある。ドイツの詩人ゲーテ(Goethe)もかつては多様な読み方がされ、「ゴエテとはおれのことかとゲーテいい」といった川柳もあったという。
庄司名誉教授は「グローバル化で外国人と接する機会も増え、間違った発音や表記は相手に失礼になることもある。文字のつづり方や読まれ方の多様性を知ってもらい、他言語や異文化の正しい理解につなげてもらえれば」と話している。
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20150430000092
(写真)世界の文字や言語のカタカナ表記の方法をテーマに事典を編集した庄司さん(大阪府吹田市・国立民族学博物館)
世界各地の公用語をカタカナで表記するとどうなるかをまとめた「世界の文字事典」(丸善出版)を、国立民族学博物館の庄司博史名誉教授が企画、編集した。英語やフランス語など学習機会の多い言語だけでなく、トルコ語やアフリカーンス語など約80の現代語を取り上げ、発音をカタカナにしてつづる方法を解説している。
■デジャヴュ、クベンハウン、ヴァーグナー…
アルファベットなどラテン系文字からなる欧米の言語をはじめ、キリル文字のロシア語、アラム系文字のアラビア語やウイグル語、東アジアのアイヌ語など多様な文字系統の言語を取り上げ、計78人の研究者が執筆。成立の背景や音韻体系のほか、つづりを現地に近い発音で読み、カタカナにするための基礎知識を文例などとともに紹介している。
表音文字の読みを日常的に使うカタカナで可能な限り正確に再現することが目的で、日本でよく見かけるカタカナ表記と本来の発音とのずれが浮かび上がる。例えば、既視感を意味するフランス語のデジャヴは「デジャヴュ」、デンマークの首都コペンハーゲンは「クベンハウン」、ドイツの作曲家ワーグナーは「ヴァーグナー」のほうがそれぞれ原音に近いという。
日本では海外の言語を英語風に読みがちで、地図や雑誌、論文などでも人名や地名、商品名が本来の発音とは異なる読みや、不自然なカタカナ表記で広がることもある。ドイツの詩人ゲーテ(Goethe)もかつては多様な読み方がされ、「ゴエテとはおれのことかとゲーテいい」といった川柳もあったという。
庄司名誉教授は「グローバル化で外国人と接する機会も増え、間違った発音や表記は相手に失礼になることもある。文字のつづり方や読まれ方の多様性を知ってもらい、他言語や異文化の正しい理解につなげてもらえれば」と話している。
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20150430000092