京都・静岡・宝塚・東京・横浜、
そして尾張名古屋からの季節だより
石神井公園禁漁区に、
野鳥誘致林が柵に囲まれてある、
カシの木の向こう広がっている、
鬱蒼と繁った手付かずの林、
山楓の巨木、
覆いかぶさっている、
蔦もまた力強く繁茂、
柵の向こう、
何時も通る森の横、
池に阻まれている中島、
ここは木の柵で護岸されている、
こちらは自然のままに残された地域、
青木の赤い実が一つ覗いている、
岸にミツガシワ、
花筏の溜り、
遠望すると五位鷺が佇む、
思案気に、
左右を見つめ、
考える、
自然そのままの美しさ、
風、
風を表す言葉には限りがないという、
風によって気温が変わり、
気温によって生活が変わる、
その風によって世界の海を走る帆船、
世界を旅した帆船日本丸、
昔は船によって海外に出かけていた、
遠い昔、
横浜からナホトカに渡り、
ヨーロッパへと旅をしたことがある、
横浜大桟橋、
海上自衛艦が一艘係留されていた、
曇天、
波穏やか、
昔にはなかったベイブリッジ、
こちらは110年を刻む小さな鉄橋、
鉄橋の向こうに観覧車が回る、
夕暮れのみなと、
堀に映る灯り、
帆船日本丸が帆を下ろし、
静かに岸壁に留まる、
水面に写す華麗なる姿、
哀愁の漂う港、
休日の昼下がり、
暗黒の雲が空を横切る、
春の気まぐれな天候、
赤レンガ倉庫に港横浜を感じるも、
静かな倉庫街、
鉄扉の向こうに何が記憶されているのだろうか、
ステンドグラス柱と鐘、
曇り空の下では、
煉瓦がくすむ、
寂しげな湊町、
木の向こうにクイーンタワー、
信号にも異国を感じる、
車が無言のまま通り過ぎていく、
ゲートの向こうにランドマークタワー、
観覧車、
遠くから「第三の男」が風に乗って聞こえる、
桜にランドマークが埋もれる、
山鳩が一羽、
何を見つめるのか、
帰りには観覧車がみどりに、
休日、
横浜の港、
枕木と木片の道を歩く、
ふんわりとした感触の道、
どこまでも続く、
赤レンガ倉庫に続くのだろうか、
横断歩道を渡る、
対向車線との間のフラワーベルト、
渡ると、
突然前方に表われた花の絨毯、
途中、
朽ちた桶が洞のように、
風雨に曝された木の扉が行く手を阻む、
塀の穴から向こうを覗く、
青い世界が広がり、
咲き乱れる渡来花、
咲き乱れるアネモネの花、
その向こうに麦畑、
整然と並ぶ、
地ビール「よこはま」となるのだろうか、
事務局隣りの早稲田教会、
ズオウの蕾が膨らむ、
赤紫の杏子色、
大通りを越えると戸山公園、
野芥子が繁茂する、
小さな花は蒲公英のよう、
綿毛が繊細で密、
カラスノエンドウに隠れるように、
蒲公英、
白い蒲公英に綿毛、
比べてみると違う綿毛、
山吹なのに、
花びらがのっぺりとしている、
八重山吹なのか、
公園の道に沿って植えられた、
満天星躑躅(ドウダンツツジ)
ツツジの先駆け、
どこでも見かけながら、
名を知らぬ、
蛇イチゴに似ているけれど、
ここからが楓の森が続く、
気に入りの地、
帰る自然を持つことの至福、
森は何処にもあり、
木々は何時も語り掛けている、
自然の心を失いかけると、
聞こえなくなる時がある、
木の声が、