木に冬と書いて柊(ヒイラギ)、
夏と書けば榎(エノキ)、
木に秋という言葉はないように思うが、
何故なのだろうか、
春はサクラと思いきや、
木に春は椿(ツバキ)、
椿はややもすれば桜に押され気味、
青山学院の本部棟の横に、
一本の見事な椿、
乙女椿、
砂糖菓子で作ったような、
あるいは蝋細工、
楚々として優雅、
高貴な気品をも感じさせる、
その隣にコブシの花弁が、
風に揺れている、
辛夷(コブシ)の花びらに、
これほど多くの形があるとは、
今更ながら驚く、
風車のよう、
これまた、
事務局に取って返す、
近くの戸山公園を通る、
さくらさくら、
青い空を背負って、
その木の下に、
存在感を示しているのが、
レンギョウ、
驚くばかりの色彩、
淡い朱が木に衣を掛けたように、
楓の新芽、
素朴なムラサキハナナが群生している、
優しげな花、
前方に花桃、
紅桃と白桃、
花びらが柔らかく、
とても穏やか、
気に入りの花、
「お花をあげましょ桃のはな・・・」、
突然さくら散る、
山シャクナゲが咲き出す、
地には外来種の白い花が一面に咲き誇る、
その中にあって、
変わらず、
小さい頃に出会った野の花を見つける、
春は始まりの時、
そして昔を思い起こす時でもある、