今日は「科学2」です。「科学」(2014.03.15)というタイトルで一度書いておりました。
昨日、YOMIURI ONLINEの『STAP「信じています」は駄目…メールでクギ』という見出しの記事を読みました。その記事には日本分子生物学会のトップがSTAP細胞論文の問題をめぐり、全会員に科学の基本を説く、という異例の訴えだと書いてありました。この記事を読んで興味深く思いました。
それは今の科学界が「科学」とは何か?を基本から再認識する必要性に迫られているからだと思いました。STAP細胞の問題は科学的真実とは別の次元の問題です。そこには組織的な問題や成果主義という問題点、そして科学的精神の欠如が問題を複雑化させているのだろうと想像できます。さらに別の事件では企業的な利害の問題も絡んでいます。
当然の事ながら「科学」には「信じています」は通用しません。「信じる」事は宗教や恋愛では美徳なのかも知れませんが、「科学」的には美徳どころか正しい判断を鈍らせるやっかいなものです。「信じる者は救われる。」と信じる事はオメデタイ皮肉な事なのです。
石の世界でもそのような非科学的な認識が溢れていますが、多くは書きません。
そんな事を思っている中で、昨日は、国立科学博物館「野依奨励賞」の記事の存在も知りました。その記事に浜松市の中学3年生(14才)が「鉱物結晶における多様性の研究」で受賞した事が書いてありました。
その研究内容が気になりました。気になって探すとWeb上からその研究論文そのものの概要と「自然科学観察コンクール」のHPが出て来ました。そのタイトルは「鉱物結晶における多様性の研究 オイラーの多面体定理は鉱物結晶に適用できるのか」です。ますます気になりました。
それは
http://shizecon.net/sakuhin/54jhs_1.html
で詳しく見れます。
オイラーの多面体定理は数学的に証明されている真なる命題なので、それそのものは疑う余地はないのですが、それを思考停止せずに、鉱物結晶に適用できるのかを問う姿が微笑ましく、さらに科学的に研究してゆこうという姿勢が今後に期待できると思います。
今は中学1年生で多面体を勉強するのですね!私の中学生の頃には無かったような気がしております。中川宏さんの木工正多面体の全中学校寄贈計画も納得できます。私の中学生の頃は鉱物の事も忘れていましたし、多面体への興味も無かったような気がします。
今の中学生がうらやましく思います。昨今、スポーツ界では若い中学生の活躍が目立ってきておりますが、どうもスポーツの世界だけではなく、様々な分野にスーパー中学生がいるようです。科学の世界でも彼らの今後に期待したいと思います。
私の結晶プログラムでは、コンピュータが勝手に形を切り出すのでこんなに考える事はありません。
この子なら、私の本の「結晶学のはなし」をすらすら理解できそうな気がします。
コメント、ありがとうございます。
私も驚きました。そして、うらやましく思いました。
「鉱物結晶図鑑」も読んでいる可能性があると思います。
彼の凄さはインターネットや専門書を調べたり、自らあらたな疑問点を発見し、その事を解いてゆこうという研究意欲です。将来が楽しみです。
初めてのコメント、失礼致します。
私は、浜松市で子供の自然体験クラブを主催しております内山と申します。この度、取り上げて頂いた蓮君の所属するクラブです。本日、まだ継続している多面体の研究を彼と行い(私はただ手伝っているだけですが)、帰宅してブログを読ませて頂いた次第です。正直、本当にビックリ致しました。すぐにでも彼に電話して、知らせてあげたいと思いましたが、夜11時をまわっておりましたので、明日、連絡させて頂くつもりです。お褒め頂き、我が事のようにうれしく思いました。本当にありがとうございます。
また、ご指摘のように、『鉱物結晶図鑑』は彼と2人で、大いに勉強させて頂いております。とても貴重な本です。彼も、「かなり難しい!」といいながらも、目を輝かせながら、いつも拝読させて頂いております。
彼は、剣道部に所属し、この3連休も、部活でまったく休みがない状態ですが、この度のことで、きっと今後の研究にも一層の励みとなることでしょう。
本当にありがとうございました。
乱文ではございますが、心より御礼申し上げます。
か?着眼点が素晴らしい。
将来数学にいくか結晶学に進むかわかり
ませんが、稀有の才能を伸ばしてあげた
いと思います。
がんばってください。
コメント、ありがとうございます。
山田蓮君の先生ですね!
こちらこそビックリ致しました。
うらやましい生徒だと思います。
やはり「鉱物結晶図鑑」をお読みでしたね!野呂さんもお喜びになられると思います。
TYさんがおっしゃるように稀有の才能を伸ばしてあげて下さい。
今後、多面体鉱物の分野での新発見が出てくるような予感が致します。楽しみです。
私の本を読んで頂き有難うございます。
結晶学の入り口に、結晶形態学というのが有ります。これは、面の対称性について整理したもので、本の後半は、これを私なりの視点で説明しました。これを体験するには、私の結晶プログラムをいじってみるのが良いと思います。
次の段階としては、結晶の分子構造の視覚化が有りますが、これを理解するには門馬先生のVESTAが良いと思います。この分野は、人工の新素材や新薬などで応用が効きます。
今は、こういうコンピュータソフトを普通に使いこなす時代と思いますので、取り敢えず体験されることを推奨します。
野呂先生、貴重なアドバイス本当にありがとうございます。さっそく先生のソフトを体験させて頂きたいと思っております。
それから、MM様、TY様、暖かなお言葉、本当にうれしく思います。蓮共々、厚く御礼申し上げます。皆様、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。
結晶プログラムは、本来は結晶の成長シミュレーションを目的にしていまして、シミュレーションのStart TimeとEnd Timeを指定して形の変化を見れるようになっています。(昔は人工水晶の研究に使用されました)
ただし、このデータを作るのは母岩に接している面の成長速度をゼロにするなどのコツが有ります。私は、結晶図を描くだけならば、Start Time=End Time=100としています。
使い方は、プログラムメニューのヘルプを見てください。その中に結晶データの作り方も書いてありますし、結晶データが700位有り、それらはテキストデータなので1~2ファイルを覗いてみると理解が深まると思います。
なお、これも含めて結晶学関連の本やソフトには、面方程式が出てきますので本来は高校数学以上の知識が必要かと思います。大人でも、特に数学が苦手な人は、結晶学を敬遠す人も多く、蓮君が難しいと思うのは当然なことです。
でも、立体幾何学に深い理解を持っておられるようなので、慣れれば大丈夫かなと思い、推奨させて頂きました。
VESTも含めてですが、既存のデータを改造してみる事が出来るので、最初はゲーム感覚で触ってみるのが良いと思います。
質問が有りましたら、私にメール頂ければお答えします。
ご丁寧なアドバイスを頂き、誠に恐縮です。結晶学の奥深さは、私のような素人にはとうてい理解できるものではありません。しかしながら、逆に、蓮にはそのすごさを肌で体感してもらいたいと願っております。それがやがて、あこがれとなり、目標となる可能性があるからです。
先日、ある仮説をもとに、スチロールの立方体を電熱線でカットしていた彼が、「ケプラーが現れた!」と興奮しておりました。何事かと見てみると、なんと小星形12面体ができていてビックリさせられました。とは言うものの確かに星形をしているのですが、はたして本物なのか、似ているだけのものなのか、その証明の方法に頭を抱えております。
もはや、私の手には負えないようなこうした事が増えてきているのが現状です。
そうしたことも含め、もしお言葉に甘えて、メールで先生にご質問させて頂くことができれば、こんなにありがたいことはございません。
お忙しい中、ご迷惑とは存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
また、長いコメントを何度も書かせて頂き、石の華MM様、申し訳ございませんでした。いつか、鉱石好きの子ども達を連れて、お店におじゃまさせて頂きたいと思っております。ありがとうございました。
コメントは大歓迎です。
ご来店も大歓迎です。
お待ちしております。
ところで、蓮君の「ケプラーが現れた!」というコメントが気になりました。発砲スチロールのカットは、中川宏さんのサイトにも出て来ます。もしかすると、「多面体木工」もお読みでしょうか?
ケプラーの星形多面体はいわゆる相貫体で、それは鉱物結晶の貫入双晶に繋がっています。独自で仮説をたてて独自で製作しているとしたら、彼はとんでもない天才かも知れません。