今日は「地球は生きている」です。
「地球は生きている」は比喩的表現ではなく、その意味のままの事です。
「地球は生きている」という事は巨大地震や巨大噴火の現象で実感できます。今ではその事を疑う人は少ないでしょう。
かつてNASAに勤務していた大気学者ジェームズ・ラブロックによって提唱されたガイア仮説は当初メタファーとして受け止められていたようですが、地球がひとつの生命体のように自己調整システムを備えている、という事は疑いの余地はないようです。
その事は別の観点からも理解できるようです。
先日、NHK-BSプレミアムで「コズミックフロント」の「惑星 地球 生命大爆発の秘密」を見ました。地球史におけるカンブリア紀の生命大爆発は生命進化の謎のひとつですが、その番組ではその答えともいえる説明がなされていました。それは陸地から削られて流されていった膨大なミネラル(カルシウムや鉄等)が生命が進化の過程で獲得した殻の材料の供給源になった、という事でした。さらにミネラルによる殻の進化は生物の大型化・複雑化と共に神経系も進化させ、そのことが目の発達に繋がっていき、巨大な目を駆使した捕獲と防御が進化を加速させた、というような解釈です。生命の進化には地球規模のミネラル供給が重要だったのです。
その番組ではまず火星と地球との違いに始まり(原始火星にプレートテクトニクスがあった事、プレートテクトニクスが海の存続に係っている事等、興味深い事実が満載でした)、月の存在が地球環境の安定に寄与している事、等々、知的好奇心を刺激してくれました。それらの中で私が特に興味深く思ったのは1万気圧下での水の結晶の映像でした。簡単なダイヤモンドアンビルセルを使った実験でも水は相転移を起し結晶化しました。その映像では菱形の斜方晶系のように見える結晶でした。水の相にも興味深い現象がたくさんあります。
番組ではポストペロスカイトという鉱物がコアからの熱をマントルへ伝え、その事がプレートの移動と水の循環に大きく影響している事もうまく説明されておりました。
どうも生命の星・地球には単に「太陽からの距離がちょうど良く、液体の水が存在できたから」だけではない、重要な理由が複数あったのです。それは地球の構造すべてが生命の進化に係っていた、という事実です。
その事は「地球は生きている」という事を物語ってもいます。地球と生命は共進化しています。いくつもの偶然の重なりで奇跡の惑星・地球が存在します。どうも本当に「地球は生きている」のだと思います。