ひょんなことから「石を愛でる人」というタイトルの小説を知りました。その小説の作者は小池昌代という詩人、小説家で、2014年に泉鏡花文学賞も受賞していたらしいのですが、これまでノーチェックでした。
「石を愛でる人」と言うと、やはり、どうしても気になるタイトルなので、調べてみると、短編だったのでWeb上に全文載っておりました。それもそのはず、2015年度大学入試センター試験の国語の現代文に出題されていたのです。
そのエッセーのような短編小説を読んでみると、それは水石の愛石の事でしたが、鉱物趣味にも通じるところがあり、好感を持って読めました。
今の若い人たちは、受験で、そのような小説に接していたんだなーと感慨深く思いました。
私の高校生時代の現代文で、記憶に残っている文章としては、教科書で出会った饗場孝男さんの「石と光の思想」でしょうか。私は若い頃に、ひょんなことから饗場孝男さん宅にお邪魔する機会を得て、お話しする事が出来たのですが、調べてみると、2017年に87歳でお亡くなりになっておられました。
年を取ると、影響を受けた各界の著名人が、次々と亡くなっており、寂しい気がしております。
石の世界でも、水石の愛石家の高齢化は著しく、鉱物趣味でもその傾向は変わりません。今後は大量の遺愛石が生じてしまうのでしょう。
これからは、若い「石を愛でる人」が輩出してくることを願いたいものです。