私の鉱物趣味にはまる前の趣味は、主に「映画鑑賞」と「読書」だったと思います。鉱物趣味にはまってからも、それまでの趣味は続いていますが、少し方向性が変わってきたように思います。その変化とは映画や小説も鉱物や石に関係するものに関心が向いていくようになってきました。
今日の話題は「鉱物が登場する小説」です。
鉱物が登場する小説は数多くあります。
すぐに思いつくのはやはり宮沢賢治でしょうか。宮沢賢治と鉱物に関係する文献は数多くあります。やめましょう。列挙し出すとキリがありません。
そうだ!この話題にふさわしい本を2冊出します。
最初は少し古い本になりますが、「幻想文学10」です。これは1985年発行の雑誌で特集が「石の夢・石の花 鉱物幻想の世界」となっております。この本は幻想文学において鉱物イメージがいかに重要なテーマであるかを教えてくれます。しっかりブックガイドとしての役割も果しています。文学系の鉱物趣味の方にふさわしい本です。私も15年くらい前に古書店で入手しました。
もう一冊は「書物の王国6」で、テーマは「鉱物」です。この本は1997年発刊の本で、私は新刊で購入しました。こちらは短編作品ばかりですが、鉱物が登場する文学作品そのものが集められたアンソロジーです。なかなかの名作が揃っており、「おすすめ」です。その中で私は特に稲垣足穂の「水晶物語」がお気に入りです。この「水晶物語」は短編のせいか、先の「幻想文学10」にも載っております。
数多い「鉱物が登場する小説」の中で一冊だけあげるとしたら、私は関口尚の「あなたの石」=「君に舞い降りる白」をあげます。「あなたの石」は単行本時のタイトルで「君に舞い降りる白」は文庫本時のタイトルです。それは青春小説という少し恥ずかしいジャンルの小説になると思いますが、好感をもって一気に読める小説です。詳しくは書きませんが、「石の花」という鉱物標本店が舞台の小説です。ご興味があられる方は是非どうぞ。
「鉱物が登場する映画」に関してはまた後日の話題にします。