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鉱物の部屋へのいざない

一番貴重な石3

2020-02-20 14:34:04 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「一番貴重な石3」です。

前回は「一番」を話題にしましたので、その流れで、今日は「貴重な石」の話題にします。

「貴重な石」の「貴重な」は英語のvaluableとpreciousにあたります。

valuableは金銭的な意味で、preciousは主観的な意味で、「貴重な石」には大きく二つに分けられる事になると思います。

このブログの「一番貴重な石」(2020.02.07)では、私的には金の結晶を思い付いたと書いてしまいましたが、それはvaluable/precious両方の意味で思い付いた訳で、もう少し、厳密に考えてみましょう。

まず、金という元素鉱物の元素の価格という次元で考えてみましょう。

いつものようにWeb検索してみると、興味深いサイトが幾つか出てきました。そのグラム当たりの単価が高いランキングを見てみると、金はロジウムやプラチナよりも低く、それよりもペイン石(ペイナイトは過去に一度扱ったことがあります。)やターフェ石やダイヤモンドの方が高価で、物質的にはカリホルニウムが最も高価で、さらにそれよりも反物質がトップになるというランキングが出てきました。反物質が出てくるのは反則だと思いますが、それなら半減期が短すぎて入手不可能なアスタチン(元素番号85)等もランキングに入れて欲しいと思います。(燐灰ウラン鉱の中にはアスタチン原子が一個くらい含んでいるかもしれないという話はありますが・・・)

元素の値段はグラム単価で比較できるかもしれませんが、石(当然の事ながら岩石よりも鉱物結晶の方が価値が高い)の価値は、その色や形や他の鉱物との共生バランスなどの付加価値によって、その貴重さは変わってきます。そのサイズや重量に加えて美的な価値が加わるのです。そして、さらに主観的な意味でのプレシャスなプライスレスが付加されるのです。

preciousな石とは金銭的な価値ではありません。

誰にでも、たった一個だけの「貴重な石」があるような気がしております。そういう意味では、人間の尺度の数だけ「一番貴重な石」がある事になります。

色々考えてみると、どうも「一番貴重な石」とは何か?という問いは、あまり意味がなかったようです。終わり。

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