ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

化石6

2012-03-26 12:01:28 | 日記・エッセイ・コラム

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ドイツ ハンブルグ産の白亜紀後期のウニの化石

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モロッコ産のデボン紀の直角石

上の2つの写真はウニと直角石の化石です。先週から化石の話題を続けていますが、今日は化石の形がテーマです。

私の鉱物結晶や化石に対する興味は主に形から入っていきました。形以外にも色や質感や成分や希少性等、石それぞれに個性があり、そのヴァリエーションも楽しいと思いますが、私の場合は形が一番でした。石選びの基本的な選択基準は形が美しい事がまず最初に来ます。

今日の化石も形です。少し変かもしれませんが、ウニの化石も直角石も何となく宇宙船を想起してしまいました。両方とも流線型をしており、SF映画に出てきてもおかしくないかのような形をしております。

化石は元々は生物だった訳で、その生物が生息した環境に合った合理的な形をしているはずです。

よく考えてみると、生物の適応や進化は不思議な事だらけです。

生物は何故環境に適応するのでしょうか?それも自らの形を変化させて行きます。その時のDNAの変化はどのように起きるのでしょうか?生命情報はどのようにして伝達し、修正し、適応し、進化していくのでしょうか?そのメカニズムは謎に満ちています。

アンモナイトの異常巻きも不思議な現象です。せっかくあのように美しい螺旋形になっているのに、進化にともなって複雑な形へと変貌しました。そこにはアンモナイトの都合があったのでしょうが、不思議な事だと思います。それは異常でも何でもなく、アンモナイトにとっての合理的な適応だったのだろうと思います。アンモナイトは標本としての美しさを競って自らを変化させた訳ではないのです。

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フランス産の腕足動物の化石(リンコネラ)

この化石も不思議な形状から選んだものです。腕足動物は2枚の殻を持つ海産の底生無脊椎動物です。見た目は二枚貝に似ていますが、貝類を含む軟体動物門ではなく、独立の腕足動物門に分類されています。

私はこの化石 を見た時に2つの絵を想起しました。ひとつはエルンスト・ヘッケルの「生物の驚異的な形」の腕足動物に出てくる絵です。その絵はまさしくリンコネラを描いたものです。この印象的な形には私以外の人でも反応してくれると思います。因みにエルンスト・ヘッケルは高校時代の生物の時間に出てきた「個体発生は系統発生を短縮して反復する」のヘッケルです。

もうひとつは野中ユリの版画です。野中ユリはコラージュで有名な芸術家ですが、そのコラージュ作品の中に印象的にリンコネラの化石が入っている作品があります。野中ユリもリンコネラの形に反応したのだと思います。因みに野中ユリも鉱物趣味があるのか?いくつかのコラージュには水晶やヘリオドール等の鉱物が登場します。

今日は形の話でした。今日はこの辺で終わります。

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