ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

加佐の岬

2012-09-27 11:42:34 | 日記・エッセイ・コラム

昨日は定休日でした。天気も良く、小松の実家に立ち寄り、墓参りに行き、その足で久しぶりに片山津方面にドライブして来ました。

最初に行ったのは「加賀片山津温泉 街湯」です。今年の春にオープンしたモダンな建物の総湯(共同浴場)です。潟の湯と森の湯があり、男・女日替わりで入れ替わります。昨日の男湯は潟の湯でした。大きなガラス窓の外の風景は柴山潟で、湯船の端と同化して、柴山潟に浸かっている雰囲気になりました。

温泉を上がった後は、2階の「まちカフェ」でパフェを食べました。

以前の片山津温泉の総湯もそれなりに風情はありましたが、温泉の温度が高かった記憶があります。昨日はほど良い温度でした。

温泉の後は久しぶりに加佐の岬に行きました。加佐の岬は日本海を展望する景勝地です。そして石のブログ的には地質を楽しめる場所です。

Photo

加佐の岬 貝化石

この写真は加佐の岬で見た貝化石の痕跡です。加佐の岬の地層は凝灰質砂岩層から成っており、浅海性の堆積物で出来ています。この化石跡は窪んでおり、化石そのものは風で飛ばされてしまったのでしょう。現地では猛烈な海風が吹いており、この化石跡もそれほど長くは持たないと思われます。この場所の風化の速度はとても速いと思われます。

思わず、仏教の「劫」という言葉の事を考えてしまいました。「劫」とは「永劫回帰」と同じ文字の「劫」です。思ったのはニーチェ的な意味よりも、インド哲学的な極めて長い宇宙論的な時間の単位の事です。一辺40里(20km)の巨岩を3年(or100年)に一度、天女が舞い降りて羽衣で撫で、巨岩が擦り切れて無くなってしまうまでの時間の事です。1劫は43億2000万年とも言われます。何となく地球の歴史の時間を思います。

加佐の岬の海風はとても強く、その風化速度は天女の羽衣の撫でるような速度とは次元が違います。地質学的な時間は長いというイメージがありますが、加佐の岬の海風による風化速度は恐らく人間的な時間単位で変化していると思います。恐らく数十年単位で刻々と風景が変っていくでしょう。

Photo_2

加佐の岬 お夏の岩洞

この写真は海食洞です。海食崖の高さは20~30m、海食洞の奥行きは50m位あります。海の波と風に因る浸食・風化に因る絶景です。下に降りてみたいという願望が起こりますが、それは出来ません。

加佐の岬の近くには長者屋敷跡もありますが、そこはまた後日にして、昨日は近くの加佐ノ倶楽部でお茶して帰りました。

北陸には近場に魅力的な地学的な場所がまだまだあると思いました。

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