遠山のように見える隕石

先日、常連のDさんが店頭に置いてあるお手頃価格コーナーから面白いものを選びました。

そのコーナーにはカンポ・デル・シエロ隕石の小さな欠片が置かれていたのですが、それらの中から、一つ取り出して、私に見せてくれました。

上の写真がそれです。

Dさんは「これ、山脈に見えない？」と言いましたので、それを見た瞬間に、私にもそのように見えました。

それは、左右2ｃｍ足らずの小さな欠片でしたが、確かに、水石の世界でいう遠山のようでした。

私は「遠山に始まり遠山に終わる」という言葉を思い出しました。水石のような観賞石サイズの石でなくとも、小さな隕石の欠片の中にもそのような美意識が成り立っておりました。

お客さんの中には店主にも気付いていない石の魅力を見出す人がいます。もしも、私が先に気付いていたら、それは店頭に出すことは無かったと思います。

石との出会いは一期一会で、見付けたもの勝ちなのです。

私はＤさんの許可を取って、その隕石の欠片の写真を撮りました。それで満足です。