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鉱物の部屋へのいざない

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苔(こけ)

2019-09-06 12:30:38 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「苔(こけ)」です。

まず、写真です。



上の写真は苔(こけ)ではありません。これは比企鉱物標本の緑鉛鉱の写真です。現在、京都大学総合博物館で開催中の「地の宝Ⅱ 比企鉱物標本」の図録の109ページの写真から撮った写真です。どうでしょうか?鉱物結晶というよりも、まるで植物の苔のようではありませんか!



この標本は石川県小松市五国寺(「ごこうじ」と呼びます。)鉱山産の緑鉛鉱です。図録には「島津より購入 1919」と書いてあります。五国寺は小松出身者にとっては身近な場所ですが、100年前に、このような素晴らしい緑鉛鉱が産出していたという事は驚きと共に非常にうれしい思いがします。



上の写真は私が展示会場で急いで撮影してきた燐酸塩鉱物・砒酸塩鉱物・バナジン酸塩鉱物の棚の写真です。この緑鉛鉱は瑠璃色の台座に乗せられて、何か?特別扱いされているような感じがして、うれしく思いました。そういえば、今回の企画展のチラシの表面にもその写真が載っておりました。重ねてうれしく思います。

緑鉛鉱といえば、五国寺近くの金平の紫紅色をしたものが有名ですが、そのような緑鉛鉱らしい緑色のものも産出したのです。それから、それらの中には緑色と紫紅色のバイカラーのものも存在します。それはどうしてでしょうか?「石川県鉱物誌」(杉浦清治著 1986)には「紫紅色の発色の原因については不明である。」とあります。不思議です。それらの発色メカニズム、知りたいものです。

五国寺や金平近くの粟津温泉からクルマで約3分に位置する「苔の里」(石川県小松市日用町)は、多様な苔が鑑賞できる日本有数の苔の名所です。そのような苔の名所の近くで、苔のような緑鉛鉱が産出するのも、面白い現象だと思います。
コメント
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