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鉱物の部屋へのいざない

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褶曲

2016-11-11 14:01:58 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「褶曲」です。私は地質的な岩や石の褶曲にも石の美を感じてしまう方なのですが、意外にも「褶曲」の文字が出てくる記事は過去に2件しかありませんでしたし、今更ながらタイトルになるのは初めてです。



この写真は先日の石川県鉱物同好会の採集会で糸魚川のラベンダービーチで拾った結晶片岩の転石です。私は翡翠探しをするよりも、石との偶然的な一期一会の出会いを楽しみに探石しましたので、この石の模様が面白いと思い拾ってきました。それがどう面白いかと言うと、その極端な褶曲模様にあります。本来硬いはずの石がこのようにグネグネになった事が面白いのです。それもそのような模様を残したまままた硬い石に戻っております。この石がそこにある為には、まずそのような岩盤の露頭が崩れ、川に流れ、海に流されて転石となったという過去があります。さらに、そのような褶曲模様になってしまうような大きな圧力がかかった変成作用があったのです。それはフォッサマグナの地の石らしい特徴があると思います。


このような石は海だけではなく、姫川の河原でも幾つか見かけました。姫川は石の種類が多い事で有名な川ですが、このような褶曲模様のある結晶片岩も特徴的な石のひとつだと思います。


このような褶曲模様を見ていると、TVや写真で見たことのある巨大でダイナミックな岩肌の映像を思い出してしまいます。この石がそれらのダイナミックな褶曲模様のミニチュア版のようにも見えてきます。



硬い固体の石が柔らかく曲がってしまうのです。それは液体の墨流しのような模様にも見えてきます。さらにさらに、NASAの木星探査機ジュノーが写した木星の極の写真のようにも見えてきます。

面白い事だと思います。褶曲模様は固体・液体・気体を問わず、どんな状態でも同じように現れるようです。

そこには物性(温度や圧力)や時間が関与していると思われますが、そのような変化する褶曲模様には、ある意味、芸術的な美しさがあるような気がします。その美には鉱物を愛でる美意識と同じものを感じてしまいます。

褶曲から感じる美とは鉱物美のひとつと言えるかもしれません。そんな気がしてきました。

コメント
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