今日は「月映」です。「つきばえ」と読みます。
大正期の版画誌「月映(つくはえ)」(3人の若き美術学生、田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎による木版画と詩の作品集。わずか1年で7号、各200部の刊行であったが、近代日本の美術史を彩る珠玉の作品集として評価が高い。)の事ではありません。また、小松駅前れんが通りにある古書店「月映書房」とも関係ありません。
「月映(つきばえ)」とはつい最近、つい近所にオープンした若手作家の立体オブジェ専門店「ArtShop月映(つきばえ)」の事です。
一昨日の事ですが、この前の日曜日に金沢経済新聞の記事を見て、気になったその店に行って、その後、気になり続けてしまった、ある作品を購入してきました。その作品とは和田真以子『アミメギンイロタマホコリ』(http://tsukibae.com/works_wada.html)です。久しぶりに私の中のアート・コレクター魂が反応しました。その作品は「石の華」の店内に飾ろうと思っております。
私は鉱物コレクターであったのですが、同時にアート・コレクターでもありました。アート・コレクターと言っても高額なアート作品のコレクターではなく、身の程に見合ったものの中で、特に気に入ったものに限定して購入してきました。これまでにそんな私がコレクションしてきたものは若い作家さんの作品が多かったと思います。私はそれらの作品にお値段以上の価値を見出してきました。今回の作品もそのような美意識の中で響いた作品です。
その作品を購入した「月映」(つきばえ)もステキな店です。その店の建物は元々漁網屋さんだったという蔵のある町屋です。その名前の由来を尋ねると、店主が店の奥にあるお庭に案内してくれました。そこにはその家主が小さい頃からあったという蹲(つくばい)があり、その手水鉢(ちょうずばち)に月が映っていたという記憶のお話しから店の名前にした、との事。良い話だと思いました。
「月映(つきばえ)」という名前の響きも気に入りました。近所にこのようなアート・ショップが出来てうれしく思いました。