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鉱物の部屋へのいざない

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双曲多面体?

2015-07-19 12:32:35 | 日記・エッセイ・コラム
先日、久しぶりに「数学セミナー」(日本評論社)という雑誌を購入しました。それは特集が「多面体を見つめ直す」(2015.8)というタイトルだったからです。「数学セミナー」という雑誌は興味深い特集の時に高校生の頃から稀に読んでいた雑誌なのですが、今回は「多面体」という文字がたまたま目に付いて本当に久しぶりに読んでみました。

今回の特集は「多面体を見つめ直す」というタイトル通りの内容で、多面体の新たな一面を垣間見る事ができたと思います。現代数学は素人には難解で、相当進んでいると思っていましたが、多面体研究にはまだまだ未解決問題が潜んでおり、興味深い研究が続いているようです。結晶好き、多面体好きな鉱物マニアにも気になる話題が多く、十分に楽しむ事ができました。

例えば、「4,6,8,10,12,14,16,20」という数列があったとしたら、これは何を意味しているでしょうか?決して架空のLOTO8なる宝くじの当たり番号のようなものではありません。規則正しく偶数が続いていますが、「18」だけが抜けています。さて、これは何でしょうか?

答えはデルタ多面体の面の枚数です。デルタ多面体とはすべての面が正3角形である凸多面体の事で、全部で8種類あります。ただ、奇妙な事にデルタ18面体は存在しません。不思議な事だと思います。

他にも未解決問題も含めて面白い現象がまだまだ存在しています。自然界と同じように多面体の世界でも未知の部分が多く、これからもまだまだ研究は続いていくのだろう、と思いました。

今回、気になった図がひとつあります。それは双曲サッカーボール(双曲切頭正20面体)を視覚化したイメージ図です。それを見ていると何となく店にある標本に似ているなー、と思ってしまいました。



今日の写真はそれです。







上の写真は新潟県東蒲原郡三川村中沢産の玉髄(そろばん玉石)です。







上の写真はBrazos County Texas U.S.Aのメリカリア(方解石の亀甲石)です。

厳密に言うと、これらと双曲多面体と全く別のものです。ただ、その雰囲気は似ていると思いました。

鉱物に限らず、自然界には興味深い幾何構造がたくさんあります。そのような幾何的視点で鉱物を見る事も楽しみのひとつだと思います。


数学セミナー 2015年 08 月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
日本評論社
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