めへへ 書感

本好きなヤギ似のワタシが 勝手な感想を綴った備忘録 (時々、他)♪

聖夜 ― School and Music(佐藤 多佳子)

2011-06-10 22:12:32 | 本(まあまあ) か・さ行の作者

こちら に続く School and Musicシリーズの第2弾です。
第二音楽室 が短編集だったのに対し、今回は長編です。
舞台は、私立キリスト教教育中高一貫校の高等部のオルガン部・・・
って、まさに青学やんけ~!

今回の主人公は、オルガン部の部長を務める鳴海一哉くん。
お父さんは非の打ちどころのない聖職者、
音楽家への道を捨てて牧師の元へ嫁いだお母さんは、一哉が幼い頃、離婚し異国の地へ旅立ってしまいます…。

父と暮らすことを選択した一哉は、祖母と父の手で 何不自由なく大切に育てられますが、
当人は思春期ゆえ、母のいなくなった家庭環境の下、もやもやとして過ごしつつ、
オルガン部での後輩との出会い、音楽との関わりを通じながら、
徐々に一哉にもたらす変化を描いた青春小説 ・ ・ ・ といったところです。

青春小説とはいいかし、題材が音楽、しかも教会音楽なので、
いわゆるスポーツが題材のものとは、毛色がだいぶ違う感じです。

厳かな…、とまではいかないまでも、静かなタッチで展開していく 正統派の青春小説!
とでも言いましょうか。
さすがの佐藤先生、
リアルな臨場感を情感たっぷりに 表現されています。

え~~と 。 。 、
ワタシ自身、高校時代にゃ、本業(=学業)そっちのけで かなり音楽にのめり込んでしまったプチ経験があるので(汗)
小説の中でも、音楽ものに対しては ボルテージ上がっちゃいます。

今回、登場した音楽を聴いてみたいなぁ~ ♪
と、つくづく思いました。
また、一哉が音楽性に魅了されたという、天野真弓ちゃんの存在も いとよろし。
こういう作品こそ、音の聞こえるドラマにしていただきたいですな~~。

あ、
ちなみに、佐藤先生のあとがきによりますと、この School and Musicシリーズは、
まだ続けられるご意向とのこと。
やった~、(喜)
楽しみ ♪
コメント
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