「三歳の誕生日を迎えた頃から、子どもの語彙は格段に増え始める。ここでいう語彙とは、記号として口に出せることばのこと。実際には、脳の中に、記号化していない「ことばのたまご」は、その何百倍も何千倍も詰まっている。三歳になるまでに培った「ことばのたまご」を記号化するこの時期、新たな外国語の導入などは、到底考えられない。せっかくの「ことばのたまご」を壊してしまうことになりかねないからだ。
四歳から七歳までは、ことば、所作、意識の連携を学ぶときである。特に、所作の基礎ができ上がるときなので、さまざまな分野の洗練された所作を、子どもの目の前で見せてあげたい。音楽、アート、ダンス、スポーツなど、身体性を伴う稽古事の開始適齢期だ。この時期、暗記型の外国語教育は、明らかに時間の無駄。・・・
六歳から七歳までは、、母語の社会性を養うとき。家族との親密な関係で作り上げてきた母語を、学校という公の場で鍛え上げることによって、自我を確立するとともに、社会性を獲得する。・・・脳の立場からいえば、ここは、外国語にうつつをぬかすよりも、母語の読書を重ねるときだ。母親の読み聞かせや、本人の音読も重要なときである。脳における母語習得の臨界期は、八歳である。・・・
九歳から十一歳までの三年間は、感性と論理をつなげ、豊かな発想と戦略を生み出す脳に仕上ていく、いわば子どもの脳の完熟期だ。この三年間に脳が獲得する機能は、コンピュータにたとえればOS(オペレーティングシステム)のようなもの。これに比べたら十二歳以降に手に入れる知識は、単なるデータファイルにすぎない。つまり、脳の性能を決める大事な三年間なのだ。このため、この三年間は、脳のゴールデンエイジとも呼ばれている。・・・」(71-73頁)
ここに概略三歳から十二歳までの母語習得課程のモデルが示されている。外国語が入る隙はない。それは十二歳以降、つまり中学に入ってからで十分なのだ、日本人にとっては・・。(続く)
四歳から七歳までは、ことば、所作、意識の連携を学ぶときである。特に、所作の基礎ができ上がるときなので、さまざまな分野の洗練された所作を、子どもの目の前で見せてあげたい。音楽、アート、ダンス、スポーツなど、身体性を伴う稽古事の開始適齢期だ。この時期、暗記型の外国語教育は、明らかに時間の無駄。・・・
六歳から七歳までは、、母語の社会性を養うとき。家族との親密な関係で作り上げてきた母語を、学校という公の場で鍛え上げることによって、自我を確立するとともに、社会性を獲得する。・・・脳の立場からいえば、ここは、外国語にうつつをぬかすよりも、母語の読書を重ねるときだ。母親の読み聞かせや、本人の音読も重要なときである。脳における母語習得の臨界期は、八歳である。・・・
九歳から十一歳までの三年間は、感性と論理をつなげ、豊かな発想と戦略を生み出す脳に仕上ていく、いわば子どもの脳の完熟期だ。この三年間に脳が獲得する機能は、コンピュータにたとえればOS(オペレーティングシステム)のようなもの。これに比べたら十二歳以降に手に入れる知識は、単なるデータファイルにすぎない。つまり、脳の性能を決める大事な三年間なのだ。このため、この三年間は、脳のゴールデンエイジとも呼ばれている。・・・」(71-73頁)
ここに概略三歳から十二歳までの母語習得課程のモデルが示されている。外国語が入る隙はない。それは十二歳以降、つまり中学に入ってからで十分なのだ、日本人にとっては・・。(続く)