西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

優しく呼びかける「表示」

2007-03-08 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
平安女学院大学の高槻キャンパスで高槻市営バスがとまる停留所は二箇所、平安女学院大学と平安女学院大学東である。その停留所から帰宅する学生達の目に付く所に、副学長と学生サービス課が掲げている小さな表示がある。

平安女学院の学生諸君へ
 古い話になりますが、ロンドンに滞在していたときのこと、バスを降りようとして小銭がないのに気づき、困っていた折に、一人の若者がコインを投入口に入れてくれて、私ににっこり微笑み2階のほうにステップを上がっていきました。私はTHANK YOUと声をかける時間しかありませんでしたが、とても嬉しくまたその若者のクールで格好の良いふるまいに感心しました。日本の地下鉄などでも若者らしい親切でスマートな態度に接することがあります。
 電車やバスのなかは人と人の接触で、心を温められたり、逆に不愉快な思いをさせられたりすることが案外多いものです。毎日が楽しく過ごせるように、お互いに気をつけるようにしましょう。      副学長

・割り込みをしないように
・友達と話をするときは小さな声で
・お年寄りなどに進んで席を譲りましょう
・携帯電話の電源はOFFにして      学生サービス課 2006年4月

以来、学生の態度も徐々に良くなっているようだ。副学長とは、梶浦恒男さんである。ロンドンのバスは、私も乗ったことが何度もあるが、二階建てで赤い車体の「ダブル・デッカー」である。

人生プロセスと生活空間等の伸縮

2007-03-08 | 色々な仮説や疑問
私達は母親の子宮から至急というよりゆっくり生まれ、母親べったりから這い這いし、やがて立っちして家中から庭や表に出て行き、保育園、幼稚園、小中高そして大学・大学院と、体格も精神も大人に近づいて、行動する生活空間は拡張し続けていく。社会人になると、今や世界中が生活空間である。宇宙に行く人もいる。
で、50歳を過ぎ高齢に入っていくと今度は生活空間は徐々に縮じまってくる。飛行機に乗って海外に行くのがうっとうしくなる。やがて国内旅行も面倒くさい、となり、近所や家に「居たきり」となる。やがて「寝たきり」、そして「骨壷」である。まあ、これには個人差が大きく、最後まで元気に世界中を飛び回っている人もいる。
しかし、大局的に見て、こういう風に生活空間がリアルに拡張しやがて縮じまってくるのは、何人も避け得ないことである。しかし、私が人生後期の生活空間「縮小過程」にあるから言うわけではないが、リアルにはそうであっても、精神的・ヴァーチャルには「拡大・豊富化過程」にあると認識し、思いたいものである。