西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

病室のベッド、窓側か廊下側か

2007-03-16 | 色々な仮説や疑問
今日、奈良県立医大に行って吉田 修学長と喋っていて、病院、病室の話になったので、私は「病室のベッドは窓側が良いか廊下側が良いか」という話をした。私達家族が京都に住んでいる時、家内が手術で京都府立医大病院(河原町通りに面する)に入院したことがあった。四人ベッド室で、窓側のベッドが良いか、廊下側のベッドが良いか、と聞かれて家内は「窓側が良い」と答えてそうなった。私は、彼女に「どうして窓側が良いと言ったの?」と聞いてみた。彼女は答えた「窓から河原町通りが見え、瑞々しい街路樹も見えるし、歩道を行く登下校の元気な小学生も見えるので、早く元気になって復帰しなければ、と思うのよ」という趣旨を答えた。私はすぐに納得した。で、別の機会に鈴木成文先生(東大名誉教授、神戸芸工大前学長)から舌癌の手術で病院(東大附属病院?)に入院された体験談小冊子(体験的病院論)を貰ったことがあったが、そこには、「廊下側のベッドを選ぶ男性が多い、何故なら廊下を若々しい看護婦(現・看護師)さんが溌剌と通るからである」、という趣旨が書かれていた。その時はその時でなるほど、と思った。

高齢者というより好齢者の好例者

2007-03-16 | 言語・字・言語遊戯
私達でやっている、「けいはんな市」の地域SNSで色々なことを議論しているが、私は、ある日、個々の住宅が空間的に離れており、高齢者が多くなっている戸建て住宅地でこそコミュニケーション手段として「地域SNS」が必要ではないか、何処かで作っていこう、そのために、高齢者の「SNSリテラシー」を普及する要がある、と書き込んだ。すると友人のFUTANさんから「ichiroさんは、高齢者じゃありませんよね」ときた。その返事をリファインしてここに書いておきたい。
年齢が65歳以上が高齢者というのなら、事実そうだが、まあ子どもから高齢者まで「齢を好む人」という意味で好齢者かな・・、と言った。で、私がその好例になったら、と思っている。まとめると、「私は高齢者というより齢を好む好齢者であり、私はその好例者である」と言うべきである。又、くどいなあ、と思う。

「住居医学」共同研究成果報告会

2007-03-16 | 色々な仮説や疑問
今日、奈良県立医大の厳橿会館(同窓会館、名は万葉歌人・額田王の歌に因む。奈良県立医大は古代の藤原京の中に立地している。まさにリッチな立地だ!)で、2006年度の「住居医学」共同研究成果報告会があり、私は住居学からの評価委員の一人として参加した。この「住居医学」は、奈良県出身の住宅メーカーである大和ハウスの寄付講座として奈良県立医大に6年間時限で設置された講座名である。教授は、筏 義人先生(元京大医用高分子研究センター長)である。元々は京大工学部・繊維化学科の桜田一郎先生(ビニロンの発明者)の研究室の出で私より6歳年上だ。最初に、学長の吉田 修先生(元京大附属病院長)が挨拶された。「住居医学とは、別に住居を医学するというのではなく、住居に住む人間やその生活を医学的視点、手法で研究し、健康住宅を目指す学問と考える」といった10分位の話があった。発表は17題、医学の各分野からの発表だった。普通、寄付講座と言うと、その講座の教授以下のスタッフが時限を切って研究するというイメージだが、この講座では、未だ新しく今から形成していく学問分野との認識の下、医学の各分野から研究に参加したようだ。京大医学部等の大きな医学部になると、一寸共同研究は無理のようだが、奈良県立医大はそれほど大きくはなく共同研究をするには手頃なサイズのようだ。最後に評価員四人(五人中)が概評をさせられた。私は次のように述べた。(1)住居医学という新しい分野の研究に期待する。ただ発表された17題は「ばらばら」な面があり、今後、戦略的に方向を決めて研究を進めるべきではないか。(舵取りは、筏教授であろう)(2)良く似たと思われるテーマ(例えば、転倒防止、環境物質分析、匂いの問題等)があちこちに見られたので、学内共同で上手く分担しまとめれば成果があがるのではないか。(3)五感の視覚、聴覚、嗅覚に関する研究はあったが、味覚はおくとして全身に分布し住居と最も接触する触覚に関する研究はなかったが、今後あっても良いのではないか・・、(4)五年後を期待する。とした。元々、住居学・建築学の環境工学は建築衛生学と呼ばれ、医学の公衆衛生学、衛生学から学んで成立した。今度は、住居学から医学に「反射」して住居医学へ、となっているのかな、とも思った。懇親会(学長は、post-congress partyと言っていた)も楽しく、色々な人と交流した。評価委員の「上」の委員である丹羽雅子先生(前・奈良女子大学長)、同じ評価委員である宮野道雄さん(大阪市大教授)にも会った。大和ハウスの人々とも交流できた。昔、奈良女子大で教えた卒業生で大和ハウスのスタッフになっている元学生にも久しぶりに会って良かった。将来、これらの研究を基に例えば、住居医学会が出来れば・・、医学と住居学のコラボレーションが出来れば、とも思った。(写真は、奈良県立医大学屋上から見える大和三山の一つ、耳成山)