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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信900 ・菅首相のG8発言の本質は「原発維持」

2011-05-25 07:05:20 | 日記
おはようござます。読売新聞の社長人事が発表され、ナベツネこと渡邉恒雄氏の「老害体制」が一段と強化されました。読売は残念ながら、今後、社勢が急速に衰えていくのではないでしょうか。
生き生き箕面通信900(110525)をお届けします。

・菅首相のG8発言の本質は「原発維持」

 菅首相がフランスのドービルで開かれる主要8か国(G8)首脳会議に出席するため、政府専用機で羽田空港を飛び立ちました。太陽光発電など再生可能エネルギーのコストを大幅に引き下げる「サンライズ計画」を発表すると意気込んでいます。

 私たちの目には、政府もいよいよ再生可能エネルギーへ本腰を入れて転換する、と映ります。本当にそうであるように願いたいところです。もし本当に「脱原発→再生可能エネルギー」へカジを切ったとしたら、それは日本の歴史に新しい1ページを開くものといえます。日本社会を生まれ変わらせるきっかけになると位置付けられます。

 しかし、G8での菅発言は、「日本の原発の安全性を世界最高水準にする」という内容とセットです。これが意味するところは、「原発の安全性を高めて、原発の『信頼』を取り戻せば、原発を主要エネルギーとして維持できる」という判断です。

 フランスは、総電力量の8割を原発に頼る世界一の「原発大国」。「フクシマ」が起きたとき、フランスのサルコジ大統領がすっ飛んできました。菅首相とは「原発の安全性を高める」ことで一致しました。つまり、原発は「維持する」ということです。

 アメリカのオバマ大統領も、強力な原発推進者です。中国はG8メンバーでなくても、世界のエネルギー動向に多大な影響を及ぼしますが、これからものすごい勢いで新しい原発を建設ことを国家的事業と位置付けています。

 つまり、菅首相の再生可能エネルギー重視発言は、いわば日本国内向けの「パフォーマンス優先」であり、結果的には「めくらまし」だったということになりそうです。

 とはいえ、日本の世論がいまは「原発ノー」に傾いており、菅首相に「再生可能エネルギー重視」を発言させるところまで威力を発揮しています。先日も触れた通り、世論の力が大きく働いて、「朝日の論調を転換」させました。

 「脱原発」の世論の盛り上がりは、いつまで続くでしょうか。引き続き粘り強い力を維持し、来年度予算編成にまで影響力を持つでしょうか。さしあたり、概算要求が出される8月末までに経産省を中心に「原発予算縮小→再生化のエネルギー開発予算大幅増額」の大きな流れが動き出すか、で占えます。

 「原発ムラ」は潜行して、巻き返しに懸命です。表では、日本で最初に原発で発電に成功させた石川迪 夫・日本原子力技術協会最高顧問がテレビなどで「原発推進」を主張し続けています。

 菅首相の「サンライズ計画」というパフォーマンスにたぶらかさせてならない、と気を引き締めています。