生き生き箕面通信

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生き生き箕面通信883 ・窮地に追い込まれた菅政権――アメリカと沖縄のはざまで

2011-05-08 06:48:34 | 日記
おはようございます。日本政治の機能不全を打開するためにも、週明けから小沢一郎氏が活動を再開することを強く支持します。党員資格停止などにこだわっていては、日本丸が沈没するだけです。
生き生き箕面通信883(110508)をお届けします。

・窮地に追い込まれた菅政権――アメリカと沖縄のはざまで

 北沢俊美・防衛相と仲井真弘多・沖縄県知事の会談が昨日7日に行われましたが、結果は物別れでした。つまり、菅政権が進めようとする普天間基地の辺野古への移設は、沖縄県知事によって再び拒否され頓挫したわけです。

 菅首相は6月中にも実現したいオバマ米大統領との日米首脳会談で、普天間基地問題の進展をお土産にアメリカからの政権維持の”承認”を得て延命する考えです。ところが、北沢氏の訪沖失敗で、アメリカ側はますます「菅首相に普天間解決の能力なし」という判断を強めるものと見られます。

 ただ、アメリカにとって悩ましいのは、普天間基地の辺野古移設を進める手腕を持つ政治家が見当たらないことです。

 アメリカ側からは、「嘉手納基地への普天間統合案」が流れ始めました。日本の超党派議員団が訪米し、ジョーンズ前大統領補佐官(オバマ政権の安全保障政策統括=当時)と会談、その後、国民新党の下地幹郎幹事長、自民党の塩崎泰久元幹事長が記者会見で明らかにしたものです。ジョーンズ氏は「私のもともとの立場は普天間を閉鎖して嘉手納に統合することだった」と語ったというのです。

 一方、沖縄では日本裁判史上最多の2万2千人余による「第三次嘉手納爆音差し止め訴訟」が4月28日、沖縄地裁に提訴されました。沖縄の人々は今も「静かな夜」を切に求め続けています。昼夜の別なく轟音をとどろかせて傍若無人に離発着を繰り返す米軍機の数々。そこへさらに普天間の爆音を持ってこようという案です。民主党の岡田克也幹事長が外相のときに主張した案でもあります。

 仲井真知事は、本土政府が「経済支援」という札束で沖縄に辺野古案を飲ませようとするだけの”無策”にいまやあきれ果てています。沖縄の人々には、基地問題は本土による「沖縄差別」であるという意識が鮮明になっています。それが理解できない菅政権は、不可能な辺野古移設案をただ繰り返すばかり。ますます沖縄の人々の不信感を強めています。

 アメリカは、もともと普天間はグアム移転で十分なのです。ただ、日本からカネを出させる仕掛けとして辺野古移設にこだわっているだけです。

 沖縄の県内移設は不可能。県外移設も無理。さすれば国外移設=グアム移設しかないはずです。アメリカとは根本から交渉をし直す時期に来ています。それもできない菅政権は、みずから窮地に追い込まれているように見えます。