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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信871 ・アメリカは菅首相を見限りました

2011-05-01 06:56:21 | 日記
おはようございます。朝日新聞の元論説主幹として社説づくりをリードしてきた若宮啓文氏が、「朝日新聞主筆」に”昇進”しました。同社の主筆規定によると「ジャーナリズム精神を体現し、紙面と報道の声価を高める」となっています。しかし、朝日の紙面が良くなる期待は持つことができません。が、このことは明日にでも触れたいと思います。
生き生き箕面通信876(110501)をお届けします。

・アメリカは菅首相を見限りました

 「6月下旬の菅首相訪米」を決めようと就任後初めて29日に訪米した松本外相は、クリントン米国務長官と会談はしたものの、何も決めることができずすごすごと帰国しました。「こんなことなら、行かせなければ良かった」という声が民主党幹部の中にも広がっているようです。

 理由は簡単です。アメリカは「菅首相は長く持たない」と見限ったからです。「首脳会談後にすぐ辞める人と、オバマ大統領を合わせるわけにはいかない」というわけです。

 この問題に対する本日の読売、朝日両紙朝刊の取り上げ方は、まったく違っていました。

 まず読売は、3面で大きく取り上げ、日米関係がほぼ「暗礁に乗り上げた」と受け取れる内容を伝えました。菅首相の訪米は「6月下旬」を予定し、その日程を詰めるために松本外相は国会日程をやりくりして訪米を”強行”した。ところが、頼みのクリントン長官からはそっけなく扱われ、面目まるつぶれで帰ってきた、と伝えました。つまり、初の訪米は「失敗」だったというのです。

 これに対し朝日は、4面で2段見出しの目立たない扱い。見出しは「『普天間』触れず」で、淡々と事実描写をしただけ。うっかりすると見逃してしまいそうなニュースの扱いでした。今回の外相訪米がどんな意味を持ち、どんな結果をもたらしたのか、については素通りの作り方でした。かんぐれば、朝日新聞として外相訪米の結果について評価を下すことができず思考停止を起こしてしまい、とりあえず事実だけを書いたと受け取れます。

 外相が訪米しても、何も得られないのは分かっていたことです。アメリカはもともと「日本政府は普天間基地の移設問題をきちんと解決する道筋を持って来なさい。もういい加減にしてもらわないと、当方の世界戦略上も支障をきたしているのですよ」という立場。そこへ、松本氏は「行けば何んとかなるだろう。一生懸命に話せば、分かってくれるはず」くらいで出かけたのでしょう。あらかじめ事務レベルで詰めずに出かけているから、行ってみて初めて「ありゃ、アメリカはきついな」となった。

 アメリカにしてみれば、「日本は戦後ずっと保護国だった」という認識です。保護国として守ってやり、軍事費に国費を割かずにすみ、経済発展に重点投資できたから、GDP大国にまでのし上がれることができたのでしょう。せめて普天間基地問題くらいはもう解決しなければ、統治能力がないということになりますよ」と、のどから出かかっています。

 というよりも、アメリカは「菅政権はダメだ。菅に日本は任せられない」と判断したと思われます。保護国である日本は、アメリカから見放されるとまず間違いなく退場してきたという歴史があります。今回の外相訪米で明確になったのは、この「アメリカからの三行半」です。永田町(政界)はもちろん、霞が関(官僚)にもはっきり分かってしまいました。

 次に日本を託すべきはだれか、です。結局、小沢一郎氏しかいないと確信していますが、日本のマスメディアには分かっていてもそれを言い出せるだけの「勇気あるジャーナリスト」がいません。この真のジャーナリストの不在が、日本を不幸にするもとにもなっています。