生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信899 ・オバマ大統領の腰砕け

2011-05-24 06:13:30 | 日記
おはようございます。関西財界トップの関西経済連合会会長に、関西電力会長の森晶詳介氏が就任しました。当然、原発維持・推進の立場で財界活動をするわけです。つまり、政府に対しても関西経済界の総意として「原発による電力量維持」の立場から物申していくことになります。そして、自然エネルギーへの転換には極めて消極的で、陰に陽に立ちふさがる動きをすることが想定できます。
生き生き箕面通信899(110524)をお届けします。

・オバマ大統領の腰砕け

 オバマ米大統領が早くもイスラエルの厚い壁にはね返されてしまいました。先の演説では「イスラエルは1967年の中東戦争時の境界線に戻るべきだ」と、イスラエルに驚くほどの譲歩を迫りました。ところが、22日には、「イスラエルに占領地からの完全撤退を求める意図はない」と”後退”し、イスラエルのネタニヤフ首相からは歓迎されました。

 22日の演説はワシントンにある親イスラエルのロビー団体「米国・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)」で行ったものです。つまり、イスラエル側に呼びつけられ、「前言撤回」を約束させられたという構図になります。

 ぼくは3日前の箕面通信896で、「アメリカの政治情勢は『アメリカ国内の中東戦争』で混乱か」と書きましたが、混乱する前に、オバマさんの”あっさり降参”でけりがついてしまった。

 アメリカは、よく知られているようにロビー団体(圧力団体)が幅をきかす政治風土です。なかでもイスラエル、つまりユダヤ人社会は抜群のロビー力を発揮してきました。最大の圧力団体と位置付けられるほど。なにしろ大統領を換える力すらあるといわれるほどです。オバマさんも来年は大統領選挙で再選狙い。へたにユダヤ人社会から反発されると、致命傷になりかねません。

 オバマさんとしては、オサマ・ビンラディン氏を殺害した”成果”でユダヤ人社会から大きな支持を受けました。だから、この時期なら譲歩を得られるという読みだったのでしょうが、甘すぎました。

 ネタニヤフ氏は本日、アメリカ上下両院本会議で演説する予定ですが、中東和平の進め方についてどんな方向性を示すでしょうか。ぼくはまったく前進は期待できなくなったと思っています。イスラエルはパレスチナ側の土地を取り上げ、入植を強力に進める「力の政策」を継続する以外、選択肢は考えていない。

 オバマ氏が最初にイスラエルに「高値」をふっかけ、そこから譲歩する戦略だったとすれば、それなりに意味はあります。ネタニヤフ氏が和平に動き出すか、今日の演説内容が注目されます。